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猫が、こちらを見ている。
どこに移動してもそれはついてきて必ず鳴き声をあげ注意をひこうとする。
私は猫派ではなかったけれど、嫌いでもないからと安易な気持ちで手を伸ばした。

それが、あんなことになるなんてこの時の私は当然思いもしなかった。
ここはもとの場所ではない、動物もおなじ。
エンブリオと呼ばれるそれらは、動物という認識ではおかしいということ。

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ケットシーに遭遇した際、やむなく戦うことにしたときにジェフの行動を監察していた。
どんなふうに戦うのか気になっていたし、その実力もどんなものか失礼ながら測った。

本人から推測する以上に、ちゃらけている部分はなくむしろ強かった。
大剣による攻撃にまだ慣れていない自分よりよほど。

本人には決して言うつもりはないけれど、その安定した戦い方は私にはまだできないことだし、
この先も一緒のパーティならいいと思う。

セクハラへの対処法もわかってきた。（こっちのほうが簡単だった）

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まだこの世界に馴染んでいないのに、闘技大会というものがあるらしい。
というのを、ナンパ師レンガ君から聞いてそのまま参加することになる。
四人でないと出場もならない、ということで彼のパーティメンバーヴェスさん、ジェフがいなかったので
偶然場を同じくしたココリカくんという異色のメンバーになった。

どうなるか、全くわからないが大会というからには相手も居るのだろう。
その四人と相対した時、全身がざわりと警戒の色を滲ませる。

アイツ、だけは。



この手で殺す。


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日記は中途半端に此処で途切れている。

　不意に何か、そう感じて振り返る。振り返った先で、水色とぶつかった。
　その唐突な問いには、二度、眼を瞬かせる。
　

　簡潔に、名告りで返す。そういう意図で良かっただろうかと、そう思いながら、軽く首を傾げた。
　

　一応、追われるような事はしてないと思うんだけどと、付け足して言った。

ああ、やっぱりナンパに見えたか。
こちらの雰囲気から違うと察してくれたのか、すぐに否定の言葉が重ねられたけれど。
あの話しかけ方では、そうとられてもしょうがない。

——あの人に、似ていて。
一房だけ流れる髪に、自然と視線が向いた。