妙な生き物はシルフだけではありませんでした。

なんというか、微生物のアメーバを、そのまま大きくして警戒色に塗ったような、不思議な生き物に、思わず頬が引きつります。

…何というか、見た目が生理的に受け付けられません。
あと、攻撃した時に散る緑の飛沫が、とても怖いです。
…なんというか、あの生物、食べた物を溶かして栄養源にしていそうです。
…体内の大きさ的に見ても、不定形な体を見ても、おそらく消化器官が有るわけではなく、表層を覆う物と同じ体液が消化液をかねているように感じました。
獲物を消化するのにどの程度時間がかかるのかまでは分かりませんが、危ない橋は渡らない方が良さそうですね。


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なんとか勝つ事ができましたが、つくづく思い知らされます。

私は本当に、この世界について何も知りません。

…情報を、集める必要を感じました。
手っ取り早く情報を集めるのは、だれかに話を聞く事です。

…そうも言ってられません。
しかたなしに、条件を挙げてみます。

・私と同じくらいか、それより下の女性
・人間ではない
・攻撃的な雰囲気ではない

…男性は、やっぱりちょっと怖いですし、人間なんてもってのほかです。
…いくら年下で人外の女性だと言っても、話しかけた瞬間武器を持ち出されそうな相手はごめんです。
とはいっても、都合良くそんなかたがいるわけは…。

私より少し年下の、女の子
額から見事な角が生えていますから、人間、では無いかと思います。
冷静そうな表情に、安心感を感じました。
思い切って声をかけると、（かなり噛んでしまいましたが。不審者過ぎます私）彼女はしばらく静かに私を観察して、なにごとか考えたようでしたが、言葉を返してくれました。
…それにしても、改めて見ると本当に綺麗な方です。

…は、見惚れている場合では、ありませんでした。
私は彼女から返された言葉に応えようと、口を開きました。


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…鬼の少女と言葉を交わした後、また不思議な女性に会いました。
笑顔がとても可愛らしい、こちらも角を生やしたお嬢さんです。
…あの角は、鹿のもの、でしょうか。