下半身がスースーする。
服が未だに見つからない。

きっと寒冷地や冬場のスカートはさぞ寒いのだろう。
そうまでしておしゃれに拘る女性達にはある種の感嘆すら覚えるが、
できれば身を持って知りたくはなかった。

同行していたリラと名乗る少女もこちらを見てからの動きがぎこちなかった。
そりゃそうだ。僕だってそうなる。

それでもコミュニケーションをいくばくか
とろうとしてくれる彼女の反応はまだ優しいほうで、
周囲のエンブリオなどはこちらを見て唸り声をあげていたし、
刺さるような視線でこちらを牽制していた。

人が傷つく要素はいくらでもあるのだな、と
痛感した瞬間であった。

とはいえ、戦闘自体は別段困るようなことはなく、
僕自身も十全に動けた（正直な所やけくそでちょっと曖昧だが）と思うし、
彼女も苦戦する様子はなかった。
快勝と言っていいだろう。

彼女は戦闘が終わったあと、礼をして去っていった。

目は、あんまり合わせてくれなかった。

今は周りに人もいないけど、そうぐずぐずしてもいられない。
この後、地下牢の奥地でパンディーさんたちと落ち合うことになっている。

なんとしてでもその前に、着替えておかなければならない。
もう前の服でなくてもなんでもいい。
とにかくこの格好で合流するのだけはなんとしてでも避けないと……。

背後から声がする。
驚いて振り返ると、見覚えのある姿がそこにあった。

先ほどの、メイド軍団＋αにいたメイド長だ。

ユメルはパンダバンヤの肩にそっと手を置いている

木で作られた台に乗って、踊りながら歌っている女の子がいる
１曲歌い終わると、ちらほらいる観客に向かって話しかけ始めた