グレンダには何が起きているか、正確なことはわからない。
しかし、誘いを断ってしまった友人が、いつか敵になるかもしれないと互いに覚悟した友人が、
危険を冒してまで自分にそれを伝えてくれたこと、妨害が入る程度には、既に彼女の計画は進んでいること————
その手紙の持つ重さだけはしっかり伝わってきた。

グレンダは手紙をくれたモーリスにそれだけ伝え、仲間のいる方へと戻っていった。


私は以前あの人に着いていくことは出来ないと言った。
あの頃は何も知らなかったから、自分のこれまでを否定するような誘いに乗ることは出来なかった。
しかし本当のことを知ってしまった今は、この戦いが終わっても昔のままに戻ることは出来ないと知っている。
私は何を護り、何を壊すべきなのか。
再び彼女に同じことを聞かれたら私は何と答えるのだろうか————

目の前にいる少女を、少年は見据える。

あのときは追いつくことのできない、遠くの存在だと感じていた。
けれど今はこうしてパーティを組み、遜色なく共に戦えている。
それだけ自分が強くなれたのだ、という事実が少年にとっては嬉しかった。

しかし、まだまだ彼女の方が強い。
彼女だけではなく、今回一緒に戦った二人も同じだ。
本当に追いつくことができているのだろうか、
できていないとしたら、いつかできるようになるのだろうか——

そんな疑問を抱えながら、あなたの問いに答えた。

一旦言葉を区切ってから、また話を続けた。

答えを得た。
けれどそれは、きっと始まりでしかなくて。

答えをくれぬものに、挑むために。
答えなんてないものに、抗うために。