さやえさんと別れ、前頭の痛みに思わずうずくまる。
やはり屋内は危険だ。






一時の安らぎを求めて、暫くぶりに森へと戻ってきた。
かつてセルフォリーフで見た頃から何一つ学習していない林檎を背後に回り込んで叩きのめし、おいしくいただく。
思えば一揆に参加してからは何もかもを奪ってばかりだ。その所作一つ一つを思い出しながら、果たして獲物とそれらを産み出した背後への感謝は足りていたかどうか思い起こす。
…かつて、マタギを名乗る男たちから師事したインストラクションは錆付いてはいないと思う。自然を恐れ、自然を敬い、自然と闘い、自然を奪う。森においてマタギは森の神に師事し、奪った命を森の神に捧げた後糧として得る。やがてマタギは森の一部となる…
スピリチュアルな彼らの物言いではあるが、奪うことを忌避していた自分にとって、彼らの相互的な観念はとても前向きに感じられ、実際自分自身の背後観に良い影響を与えていた…

己の背後を振り返りながら夜を覚えた頃、熊が現れた。

言いながら少女は考える
自分の土地を持つではなく、農家から与えられる仕事に従事するだけ
それで守りたいものは守れるのだろうか？未来の展望は開けるのだろうか？

恥じることなど無い　そんな表情で少女は貴方の問いに答えた

そして貴方に問いかける

しきりに背後を振り返りつつ進む。