街へ着いて、目的の人物を探し当てたはいいが、話を聞こうとしたその時、すごい形相で瀕死の男が走ってきた。
不審者かと思ったが、よく見てみるとこの男、ルリアンナさんの父親……確かギルという名だったか……のようだ。
迎え撃ってはみたものの、瀕死の身ではまともに戦えるはずもなく、ギルはあっさりと倒れた。

ギル『どういうことだあぁぁぁぁッ！！！！』

すぐに起き上がり、叫び散らすギル。
どうやら、ギルの妻……ルリアンナの母親でもある女性が、書き置きを残して消えたという事だ。

あんな怪我を負ったまま一人で探すのは無謀だろうと思い、探すのであれば手伝おうかと声をかけようとしたが、

ギル『見つけて連れ帰ってやるから覚悟しやがれッ！！！！！』

そう叫んで走り去っていった。

心配ではあるが、何か元気そうだからきっと大丈夫だろう。


気を取り直して目的の人物に話を聞いてみたら、やはり魔神が倒されたという話は本当だった。
それならば、新王も魔神も討伐されたという情報が行き渡れば、この一揆も終わるだろう。

僕はもうしばらくは街に滞在して報告書をまとめつつ、何か事件が起きたりしないか見回りをする事にした。

これからの方針が決まったのだから、じっとしてはいられない。
僕はまず、セリーナを街へと呼んで話をする事にした。

　　　　　　　　だめだこいつはやくなんとかしないとはこういう時に使います。
　　　　　　　用法・用量は正しくしないと、しまっちゃうおじさんにしまわれちゃうぞ！

　　　　　　　　別れの言葉をこぼせば、短い時でも急に寂しくなるものだ。
　　　　　　　男の視線の先もまた、この僅かな日々を見ていた。

　　　　　　　　いい笑顔で”覚悟しろ？”と言い放ち、びしっと指を突き付ける。