ブランチマンがいた庭園から逃げ出してたどり着いた不毛の地でもまた敵に襲われた。
何とか退けたものの、僕もセリーナも満身創痍。
どこか隠れられる場所を早急に探す必要があると判断して、
先日、他の一揆参加者に聞いた話によるとこの近くにあるという地下への抜け道を探してみたものの、見つからない。

途方に暮れた僕たちの前に現れた助け舟。
それは、

ブロロロロロロン

キキーッ！！

すごい速度で移動する巨大な鉄のゴーレム？だった。

見たこともない巨大な鉄製の、ゴーレムとも形状が違う何か。

セリーナ『ウィスタリアさん、あれはトラックという乗り物です。
でも、何故こんなところにトラックが……？』

敵意がもしあるのなら、あの速度のまま僕たちに突っ込めば一方的に跳ね飛ばす事もできたはずだし、
僕たちを無視してそのまま走り抜ける事もできたはずだ。
そうせずにわざわざ近くに止まってくれたという事は、交渉の余地はあるはずだ。

僕はこのトラックの御者と交渉すべく、トラックの中を覗きこんでみた。


結局、トラックの御者は見つからなかったものの、何となく交渉には成功。
もうひとり、大柄で六本腕の亜人の青年と共に、トラックの先導で地下へと駆けこむ。
こんな大きなトラックで地下に入れるのか不安だったものの、思いのほか地下は広く、
何とか入り込む事ができた。

地下に入ってすぐに魔物に襲われたものの、何とか撃退。
馬に飛びかかられてセリーナが怪我をしたものの、大事には至らなかった。

このままでは目立つのでまた魔物に襲われてしまいそうだと判断した僕たちは、トラックと亜人の青年に礼を言って、その場を立ち去った。

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入り組んだ通路の影に身を隠し、セリーナの持っているマジックアイテムの小型テントで一夜を過ごした。
魔物も潜んでいるのであまりのんびりもしていられないが、
セリーナの怪我も治りきってはいない以上、闇雲に二人で進むのも危険だ。
今度はあまり目立ち過ぎないように身体が大きすぎない同行者を探してみたら、何とか二人の助力を得る事に成功した。

うさぎの着ぐるみを着て銃を持ち、複数のぬいぐるみを連れた青年と、
本人の服装自体はごく普通ではあるものの、謎の生き物を頭の上に載せている少女。

そんな事はないと思いつつも不安になってきたので、セリーナに聞いてみる。

セリーナ『いえ、そんな事はないですよ。
ただ、戦闘技術に長けている方というのは個性的な方が多いので、
結果的に私たちのような普通すぎる格好をしている人が少数派になっている可能性はありますが……。』

セリーナは困り切った顔でそう答えてくれた。

困っている僕たちを助けてくれたのは間違いようもない事実。
敵ではないのだから、細かいところを気にする必要もないだろう。

セリーナ『そうですよ。今はそれよりも敵が来ないか警戒する方が……。』

セリーナの言葉に呼応するように、通路の影から魔物たちが現れた。

僕たちは武器を構え、敵を迎え撃った。