「おい、聞いたかよ！例の『化け物』の声がする森で、エンブリオが襲われたらしいぞ！」

「ああ…なんでも、魔力を根こそぎ奪われちまって、今も目を覚まさないらしい。契約者だった男も怪我をして運ばれてきている。」

「おっそろしいな…もしかして、最近聞く『ローバル』ってやつの仕業じゃないのか？」

「多分な。それに、最近は今まで聞こえたのとは別の呻き声が増えてきているらしい。仲間を呼んだのかも…」

「…！こうしちゃいられねえ。腕の立つ奴らに依頼して、対峙してもらわねえと！」


村の人々の声が聞こえてくる。


その「森」の噂は冒険者や商人たちを通じて広まっていった。

自我を暴走させ、自滅させようとする前に逃げられてしまった。外見はローバルの姿に戻っていても、自我は変わっていないはずだ。

自身を捕え、魔力を奪った男。『ダークフェアリー』と呼ばれていたあのニンゲンがシュウスケの正体に気づいたのなら、他のローバルと同じように手駒にしようとする可能性は高い。

ネルカライムは、呻き声が聞こえる森へと飛び去って行った。

力が抜けたようにボウガンを降ろすと、”シュウスケ”の近くまで駆け寄った。

「ローバルがシュウスケを食った」という考えが脳裏をよぎった。
しかし彼がこちらに敵対の意思を見せなかったことから、
目の前の存在が”自分と知り合ったシュウスケ”だということには違いない。

つまり”シュウスケ”は、”最初からローバルとして生まれた”と考えるのが最も自然だろう。
それがどういう訳かローバルと敵対行動を取っているのが気になるが……

道具袋から本を取り出すと、本にある白紙のページを破りとる。
白紙に万年筆を添えて、シュウスケに手渡した。

微妙に違う

微妙に近かった、がさらなる誤解を

しげしげと股間をみつめる（語弊）

マジです

こちらの存在を認識されたとみれば、逃げるそぶりを見せず、前に一歩踏み出す。

しばし逡巡した後、腰を落とし、ゆっくりと半身に構える。

秋月の気配が、膨れ上がる。
契約しているエンブリオの力。遠く離れても尚結ばれる繋がり。
前王を討ち、掴み取ったネクターがその力を高めていく。
しかし、その力も『戦士』達には遠く及ばず、凡人の域を出ず。

ローバルの知性が言い分を理解できると考えているのか、言葉を続ける。

そのローバルの正体を知らず、ただ闘争心を向き出しに相対する。

言われるがままにバイクに乗る。

物珍しさと羨ましさがまざった感じの感想をいいながらも一緒に湯屋にいくのであった…。

・・・

そして、湯屋前…。

・・・

※続きは湯屋コミュに書いたよ！