そう言いつつ広げるグラビア雑誌。
水着姿の女性が作り物の触手に絡まれている写真が掲載されている。

　

　

（ロリコンがあらわれた。
まずはじめに青年の名誉の為に倫理に悖るような行為は決して行われなかったと公言しておく。その上で、あなたの物理的に小さな抵抗も虚しく青年はそんな風に変わらず——否、さらにちょっかいをかけてくる。
先程の発言からあなたの言葉は信じてはいるようだが、やはりそこは道に挑むことが生業である冒険者、その程度の変化で揺らぐような“見る目”は持っていないということだろうか。……それが喜ばしいことかはさておき。）

（「正義感なんてモンもねーぞ？」と、言葉を続ける。）

（あなたが抱き抱えたアリスの手を取りながら勝手に当てたその声は、言葉の意味の真偽や似ていたかどうかはともかく、青年の声でない、全くの別人の声に聴こえた。しかしそれは一つ前の話題から話を逸らす為の芸なのかもしれない。「二年前から以前の記憶がない」——それを語る表情は変わらず笑顔だったが、どこか翳が差していた。）


（目の前の童女の動揺に、青年の表情はさらに険しいものになる。
しかしそれは決して嫌悪や同情のものに見えず——、）

（汚れることも構わず膝をつき、あなたの目線に合わせた——あなたの目を見るように向けられた赤い瞳には、
死を笑う前のあなたを助けられなかった、自身への怒りの炎があった。）

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少し天を仰いで考えてたが

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魚はありすの言葉に怖くて震えているようだ