■エクソシストの断片記録XIII

・聖遺物の子は話せるようになったのが嬉しいのか前よりも明るくなったように見える。
　とはいえそんなに本来の性格には変わりはない。
　人間もそんな簡単に変化はしないようにこの子も変化をするのも同じなのだろう。
　聖遺物の子との話はまだ単語ばかりで会話の領域までは至っていない。
　それは普通に考えたら当たり前なのだから仕方のない事だろう。
　誰もが一瞬で覚えられるのなら苦労はしない。
　とはいえ子供の成長は早い。
　気は抜いてはいられない。
　自分以外にも覚える為の教材は沢山あるのだから。

・聖遺物の子の手から出てきたフェアリーらしき物はよく喋る。
　終始楽しそうに話すので彼女のおしゃべり相手にはちょうどいい。
　女性…というよりは彼女のおしゃべり癖は自分では時々付いてけなくなる。
　彼なら多分問題なくついて行けると思う。
　
・後、情報に強いと感じた。
　様々な知識というよりかは噂話や冒険者の話を小耳によく挟み教えてくれる。
　情報網としてはとても助かるので重宝しようかと思う。
　そして顔は似ていたが性格は余り似てはいない。
　…いや、似てないでいいのかもしれない。

・今まで回復支援メインだったがフェアリーの助言で少し絡み手を考える事に。
　そんなに凄いものではないがダメージ以外の攻撃ソースはあって困らないだろう。
　前衛を任せている相方のダメージが関節的に減らせる可能性もある。
　少しずつこういう手立てにも慣れていこうと思う。

・一揆の方は噂のブランチマンとそのお付と戦闘。
　３対１という点では不安ではなかったがさすがは噂の主。
　ダメージが噂通りに痛そうではあった。
　が、こちらも支援や回復を任されてる身。
　前衛を保険も使わずに落とさずコンボを乗り切りきった。
　期待ダメージ以上のダメージを落とさせてもらったので個人的には満足。
　結果はダメージソースとして神聖術も効きこちらの望む展開での勝利。
　…なぜか長期戦で決着つかない記憶もあるが気のせいだろう。

・次の行き場所は一時的に教えてもらった地下牢に視察ついでに探索予定。
　どうやらフェアリー曰くここには自分にはあまり好まない輩が居るそうだ。
　…確かに碌でもない空気は感じた。
　あのタイプは確かに好まない…嫌、嫌悪するものだ。

　・次は何やらドラゴンと夢魔が先を行くのを邪魔しているらしい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドラゴンはどちらでもいいとして夢魔は職業柄手は抜けない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今こそ神聖術の使いどころと見せ所なのかもしれない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・そういえばHARVESTFESという此処のお祭りがあった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　美味しいものを食べたり飲んだり等楽しむのが趣旨のイベントだった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　美味しいものと楽しむ為なら割と自由の人数だけ楽しみ方のあるイベントだった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彼女がワインとか飲んだらと言う言葉もあったので酒類も楽しませてもらった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　収穫祭的なイベントというのは宗教を除いたとしても楽しいものである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・そういえばそのお祭りの最中カッパの子が勝手に出歩いて色々していたらしい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フェアリーも同行していた上やりたかった事もあるだろうと自由にさせた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やりたい事をして帰ってきたカッパ達は満足していたので良かったのだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　幸い、苦情の意見や手紙は届いていない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・そういえばハロウィンだー！と彼女が張り切っていた当日は今日だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お菓子等は忘れずに買ってきたので後で振舞おうと思う。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きっと聖遺物の子らは張り切って脅かしに来るのだろうから。

彼女の手には、ポーチから取り出した鮮やかなドロップス。多分オレンジ味とか、その辺り。
ついでに名刺の説明もしているが、これで伝わっているのだろうか。

あなたの顔…というよりかは、頭髪から顔立ちまでを失礼ではない程度に見ている。
彼女の口ぶりからして、亜人自体は別に珍しくは感じていないようだ。何より彼女自身猫の耳と２本の尻尾がふりふりと特徴的に動いている。

何だか物凄く勘違いしている！
そもそもこの女、宗教というワード自体を知らないフシがあるようだ。

ポーチの中に手を突っ込むと、物理法則を無視してドでかい高枝切り鋏を取り出してみせた！
他にもまな板、果物、ザル、化粧水の瓶、ペットボトル、液晶タブレットなど文字通り有象無象のモノがポンポンと取り出してはあなたたちの目の前に並べてみせる。

聖水を入れるのにこれは本当にいいのだろうか。
とは言え軽く、透明な500ml入りのペットボトルをあなたに差し出した。握れば潰すことも容易だが、力を抜けばすぐに元の形に戻るプラスチック素材である。