今思い出しても頭痛がする、普段は一番まともといってもいいのに、何でこういうことには疎いんだろうか
　悩んでいた。状況は整っている。あたし達は恋人同士で、彼はいつも一歩を踏み出そうとしていた。
　あたしに少しだけ勇気があれば、毎日起きたときに一心不乱に音を奏でている彼の横顔に負い目を感じることは無かったんじゃないだろうか。
　魔法で編まれたヴェールをくぐる、ふわりと優しい感触はあたしの侵入を拒むものではない、ただわずかに変わった音の流れに、ジェイクはこちらへ視線を向けてくる。
　目が言っている「起こしちゃった?　ごめん」それがわかる、優しい彼が好きだった、気にくわないこともある、がさつで、みんなの前でいちゃつこうとするのは特にダメだ
　それでも、たまには。たまにはいいかもしれない、そろそろあの時期だと聞くし、あたしから上げるのも悪くない。
　だから。
「あ、あのさ。ジェイク。ポッ○ー食べない？」
　声は震えていたし、目はあわせられなかったと思う、これから目を合わせなくちゃいけないんだから気まずくなるだけだとわかっているのに。
　そんな状態で返事を聞いた、心臓が高鳴る。あたしはトルテさんが用意してくれたチョコレート菓子をおずおずと咥えて……

　一人残って彼女はテントを見つめる、ほんの数十秒の間。
　ため息は、どこか満足気に、誰にも聞こえないような声で、「今日は一人でやりますか」と呟いた

と聞くやいなや、ちろりんが突然飛び出した！

1位が確定して安心したのか、ちろりんの線香花火もポトリと落ちた！

まともな事をいってるような、同様を隠しきれてないような…ただ、相手が自分と同じかそれ以上（？）に混乱を来たしているように見て取ったのか、その分だけ気持ちにゆとりができたのだろう…相手を落ち着かせようと、重ねていた一方の手を振り上げると相手の背中へとぽんぽんとばかりに軽く叩いて

思いつかないようだ。

お菓子と楽しさ！　あ、やばい。　暗殺を楽しむ妖精を想像しちゃって寒気が……

いつの間にか頭から離れて大笑い！

剣を抜く、二度三度と素振りをして、目を瞑ると彼女の周囲に光が集まり、衣装を変化させていく

数度、電気が流れたような音がして、ふよふよと鞘に収まったままの剣が彼女の周囲を囲むように浮いた