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「王様だぁ〜れだ。」
「魔王は俺だー！」

なんだろう、この感覚・・・
どこかで経験したようなしてないような。

「…………ぱ……さん…………」

私を呼ぶのは誰酔狂に踊る・・・
何かしらこの最近聞いたことがあるような・・・

「ちゅぱか………さん………ください………」
「ちゅぱかぶらさん！起きてください。」

どうやら気づかないうちに眠ってしまってようだ。
あまり気にはしていなかったが、最近体力が減ってきているように感じる。
運動不足とかも確かにありうるのだが、恐らくは栄養不足。
メルンテーゼに来て以来、ロクに血を吸っていなかった。
普通の食事でもお腹は満たせるものの、血を摂取しないと力が発揮できないあたりが
自分は人間ではなく吸血鬼なんだと実感させるところなのである。

確かに、昼寝をすると夜は眠れなくなる・・・
と一瞬思ったが、吸血鬼って割と夜行性なんじゃないかなと一瞬で今の考えを撤回する。

レクイエムやユーチーに起こされても別に何も思わないのに、
ぴょんたに起こされると何故か腹が立つ。
間違っても恋ではない。少しでも思った奴は張っ倒す。
でもライナに起こされるよりかマシかな、何かされたんじゃないかと不安になるから。

眠い、面倒くさい、寝起きだからフラフラする。
でもまぁみんなが行ってるのにボクだけ行ってないのは何だかハブられた気分になるのよね。
究極の選択である。
決断の時。

しまった、言い方を間違えた。
これでは地獄のミサワみたいな感じじゃないの。
ボクはそういうキャラを目指してないのよ。

何かしらこのスグ着くという言葉の信用のなさと来たら。
蕎麦屋の注文して、なかなか来ない時に電話したら
「今出たところなのでもうスグつきます」
と言われた時の感じだわ。
忘れてただろ・・・って言いたくなる。

そんなことを考えている間に本当についた。
嘘じゃなかった。
世界は嘘に塗れているのに珍しいパターンだ。
靴下だって本当は靴中じゃないかとか言いたかったのに。
きっと大人の都合とか、尺の問題とかなのだろう。

何故このぬいぐるみは上から目線なんだろうか。
水辺があるんだから沈めたら水分吸って上がってこなさそうだし・・・
いやまぁとりあえずみんなのところに行こう。

空に大きな花が咲いた。










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耳をつまんだまま、感情の無い声で話す。