「ふむ……羊だな」
「羊ですね。まあ、エンブリオ契約には問題無さそうですよ？」
わざわざ地下牢に出向いてまで見つけた「執事」がこれである。きっと悲しむことだろうと思いつつ、
（これで変な妄想に付き合わされずに済むか）
そう鳴丸が安堵したのも当然のことだった。

「で、どうだねキャレット君。ひつじの執事というのはBL的に問題は
「ふっ、何を言っているのかしら！？長きBLの歴史においてケモなんてどこにでもある一ジャンルにすぎないのよ！
　むしろ今まさに妄想が沸き上がってきているわ……！」
かぶせ気味に答えつつもキャレットの視線は鳴丸の尻に据えられている。

「もうやめてくださいよ！仮にも僕らはともに戦う仲間でしょう！？」
「何を言っている。だからこそ妄想が捗るのではないかね。
　そもそも仲間だからというのならば君の方こそ仲間の趣味ぐらいは許容してはどうか？」
「ああっ、また教授が正論めいた言い回しで煙に巻きにかかっている！？」

……10分と経たず鳴丸の反抗は終わった。
「クッ、どうしてだ。僕はただ健全な学生生活を送りたいだけなのに、どうしてこうなった」
嘆く鳴丸だったが、彼の友人はどこか遠くを見つめながら
「早く慣れてしまったほうが楽になると思うよ」と言うだけであった……

それを聞いたサニーはにやりと笑った。

そして、教授のオシリに左腕で肘鉄を食らわす。

そのあと、地面スレスレの右アッパーをお腹へ

少し浮き上がったところに居合いで抜いた竹刀を胸へ強打する。

教授が立ち上がる前に、プララを引っ張って逃げるサニーであった。