身体が痛い。
負った傷が熱を持ち、ひどく熱かった。
身体を動かそうにもその身体は鉛の様に重く、僅かに手を動かそうとするだけでも息が切れた。


「…アールさんが、手当を？」


目をそらす彼の様子に、きっと服を脱がさないといけなかったはずで手当はしにくかっただろうと思う。


「ありがとうございます。」


礼を述べるが、彼の様子はどこかいつもと違っていた。
いや、前々から彼がどこか後ろめたいような様子を見せることがあることを彼女は知っていたが…。
何があったのだろうと、首を傾げることもできず、ただ頭の中で思う。
そして、小さな呼吸、掠れた声。
つっかえながら外された鉢巻、その下の額に刻まれた紋様をじっと彼女は眺めた。



静かに、じっと彼の話を聞く。
















「…手、もう一度握ってもらえます？」


どこか曖昧な笑みを浮かべたまま、痛みを堪えゆっくりと手を伸ばした。

少女はソワソワしている。