「『戦い』とは何でしょう」
「弱者と強者を決めることです」
「勝者と敗者を分かつことです」
「もしくは」
「もしくは？」
「自己肯定の為の表現手段の一つです」
「それは物理的な手段に依らないということでしょうか」
「そういう場合もあり得るでしょう」
「常に」
「常に敵対者を排除し続けていては摩耗します」
「存在の維持に支障が発生します」
「魂の問題でしょうか？」
「魂の問題でもあり」
「器の問題でもあり」
「故に」
「故に人は」
「言葉を用います」
「私たちも用います」
「そして文章などの記録媒体が存在します」
「記録媒体によって人々は『戦い』を記憶します」
「平和の為に？」
「いいえ」
「さらなる『戦い』の為に？」
「それもあるでしょう」
「けれど」
「おそらくもっともな理由は」
「『勝者』にとって都合のいい『戦い』にする為です」
「それはつまり」
「過去も現在も未来も」
「『戦い』が支配するのでしょう」
「私たちも」
「はい」
「『戦い』ましょう」
「『戦い』ましょう」