兵舎を抜けて森林へと向かう道すがら、未だショックを脱しきれてきれない銀髪の少女ではあったが、祖父たる男はそれを意に介することなく只管前進を続けている。当初は見極めようとも着いてきた同行の旅路ではあったが、何時の頃からか旅そのものに楽しさを覚え始めていたのかも知れない。
　それだけに先日のエンブリオ解約の件が、今までの普遍的な旅路から一転、暗部を見せ付けられたような気がして、それが余計にショックを上乗せさせる要因ともなっていた。

<F3>@ラクレット@/15/新たな出会いは、昔日との別れ…勇者の傍にはかくも多くのエンブリオが集まり別れてを繰り返す♪</F>

　普段は男の後ろを歩くことが多いセイレーンのラクレットではあったが、今日は珍しくリコの横合いを歩いて気を紛らわそうとしているのか唄を紡いでいる。内容が内容だけにリコの肩に乗るピクシーのグラナやサラマンダーのルイは心配そうに見やっていた。
　最初こそ聞きたくないとばかりに両耳を抑えて頭を振る様子を見せていた銀髪の少女だったが、それでも止めようとしないセイレーンの姿に悲しみと苛立ちを募らせていき…。

　皮肉にも似た言葉を漏らした後に、思わずとはいえ口にした自分自身にはっとしている銀髪の少女をよそに、セイレーンの女性は楽器を爪弾きながらも淡々と言葉を返してよこす。

　気持ちが昂るのも隠し切れず声を荒げて反論しようとした所で、その言葉を覆うようにセイレーンの言葉が掛けられる。

　その言葉に返せる言葉が出て来ずに、先の失言と相俟って顔を両手で覆う少女に対し、セイレーンやカンタルの代わりを買って出たポーンのヴァランセも一つ肩に手を置いた後、先を行く男の後を追いかけるべく歩を進めていく。
　黄色と赤の灯火が揺ら揺らと視界の端に入る中、銀髪の少女は少しの間、気持ちの整理をすべく佇んでいると不意にこみ上げてくる感情を御しきれずに大泣きをしていたが、やがて落ち着いてくれば祖父たる男の後を追おうと動き始めた所で、迎えとばかりに白狼たるアンジェロの姿が前に現れたのであった。


　一方、男の方はというと…。森林を抜けるにあたって他の同行者と一時的なパーティーを組んだようで複数人と行動を共にしていた。

一人目は、兎の耳と紅い瞳と髪色が特徴的な銃を持った女性。
二人目は、袖や袴といった独特な衣装に身を包み、弓を携えた少女。
三人目は、探検家だという、銃を持った性別から何から不詳な人物。

　危険な敵が潜む森林の只中を平穏無事に抜けれる訳は無く、四人の前には六つもの敵影が立ちはだかるも、銀髪の少女が戻ってくる頃には決着がついている位には、冒険者達の実力は確かだった。
　頭を下げる少女に対し、男は淡々と言葉を返して遣したのみで、それ以上の叱責はなかった。尤も…

　その言葉に、銀髪の少女は力が抜けたとばかりに膝から崩れ落ちるのだった。。。

その様子を見ながら、ふむと言って

　
　　　　　　右手に、魔術力場を形成した。

　
　　　　　　興味深そうに手に取った。

　　　△　　土　▲
　　（　㊤　皿　㊤）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│＼　　　　　　　　　がしゃーん
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