今日も今日とて、ここ数日景色の変わらない枯れた土地を進んでいく。
　昨日から引き続いて獣人の女性と共に荒野を進んでいたが、彼女もまた祖父と同じく何かを探しているようだった。落ち着いた感のある女性ではあるのだが、目当ての物が見つからないからか、何処か落ち着かないようにも映ったのは、自身が当事者ではないからだろうか？
　それは祖父である男にしても同様で、何時に無く探索の範囲を広げるべく精力的に動いているようだった。

　男が周囲の探索を続けている一方で、獣人の女性から新たに今日一日同道することになった二人の紹介を受ける。彼女の行動力…この場合、交渉力といった方が適切なのかも知れないが、紹介された二人もまた、先日の二人とまた違った規格外な人物であったからだ。

　一人目は小さな身体に愛らしい顔立ち、にも関わらず手にする獲物は成人男性でも尻込みしそうな大きな斧を持った少女、
　二人目は、頑強そうな身体に鎧を身につけ、さぞや屈強な戦士なのだろうかと思えば、手に持つ武器は杖と一癖ありそうな男性、

　見かけに騙されてはいけないという言葉が、これほど当て嵌まりそうな二人を目の前にし、常識に囚われては駄目だと胸中に想いを抱きながら、努めて平静を装って自分と今は離れて行動する祖父の自己紹介を交わす。


　誤魔化しきれた訳ではなかったが、一揆に参加する者達にとって、それは些事であったのだろう…各々枯れた土地の探索を始めれば、銀髪の少女もまた自分なりに協力出来ないかと周囲を探索する事にした。そして、間もなく硬い地盤が続く土地の只中にあって、柔らかな地面を見つけたのである。

　どうしたものかと考えあぐねていると、リコの肩口に留まっていたピクシーのグラナが信号のように明滅を繰り返していると、やがて白狼のアンジェロや、サラマンダーのルイ、ザントマンのカンタルが集まってきた。

　エンブリオ達に掘り返してみようと提案した銀髪の少女は、掘り進めているうちにラクレットに似た容貌を備えた人を模した物を発見したのだった。。。

　一方、祖父たる男の方はと言えば、虹貝、大きな蟹、形容し難い缶みたいなものに加えて、新たに小さな竜が四人の前に現れ立ちはだかっていた。しかし、男に浮かぶ表情はようやく目にしたとばかりに細めて見やり、獣人の女性に視線をやると合点したとばかりに一度首を縦に頷けば、戦いへと身を投じるべく鞭を持って敵中へと駆け抜けていき、そして、無事小竜の契約へと至ったのだった。

ごそごそと動きながら上着を脱いで、腰に巻く。

Ikkiを成功に導いて
君も英雄になろう！

と黒字に白で書いてあるＴシャツをドヤ顔で披露して名乗りを上げる

といいながら、後ろに下る

剣を鞘に収めながらそういった

微笑んでそう挨拶をし

深く頭を下げました