吸血鬼の指を引きちぎった白い髪は、バラバラに折れて砕け、溶けて消えてゆきます。
吸血鬼が腰を振りながら、白濁した魔力を垂れ流す間、白い少女は抵抗はおろか、身じろぎ一つしません。
塵と消えてゆく魔力を、少しでも吸収しようとする素振りもありません。

吸血鬼が弱々しく拳を振り下ろした先に、既に白い少女の姿はありませんでした。
そこいら中に飛び散った白濁液の中に、黒い何かが浮いています。
それは、手のひら程の大きさの、森で朽ちかけた獣の臓腑を裏返したような、醜い塊でした。
あの少女の髪や肌の白さの名残などはどこにもありません。
時折微かに脈動するあたり、おそらくまだ生きてはいるのでしょうが、
この様子なら当分の間、明確な害意を持って動くことはまずなさそうです。

"サイテーの野郎どものこと、嫌いなの？"
その言葉を聞くと、困ったようにふぅ、と息を吐いた。

それは光栄。私も、秘密を共有できる数少ない友人だよ、貴方は……

促されたら、ベンチに座ったろう。
そういえばここにくるまで中々歩いた。黒い花を望みながら、少し足を休める。

しみじみと

神妙な顔をして考え込み

そう同時に答えました

緊張した様子で机にかじりついたままじっとウィルを睨んだまま。

一時的に力を貸してくれたとはいえ、敵は敵だ。
彼にしては言葉を選びながら話しを続ける。

店員の気配にテーブルへ目をやると
かわいらしい器に綺麗にフルーツとアイスが盛られた
デザートが置かれていた。

やや大袈裟に見えるくらいに、両手を軽く広げて語る。

額とこめかみの境目近くに人差し指を当てる。
それは、頭の中の奥深くを指しているように見えるだろう。

なんかすねるようにぷんぷんしてる。

伝わるようですね…。

バレバレだよね。