大所帯になって2日目の夜。

「ねぇ、イチジク・・・メルンテーゼに来てから、もう15日たつんだねぇ。」

ねこっぱちに背を向けて布団にくるまっていた九が、もぞもぞと体を反転させる。

「もうそんな？はえーなぁ。」

大所帯になって二日目の夜。
久々にねこっぱちと九は同時に寝床についていた。
というのも、今まではねこっぱちと九が交代で夜の寝ずの番をしていたからだ。

「そういえば、ぱち、契約者何匹くらいになった？」
「ボクは６。」

ねこっぱちの回答に九が舌打ちする。

「オマエなんでオレより多いんだよっ。」
「そりゃぁ、かわいいからに決まってるじゃない。」
「かわいいの関係ないだろ！オレのほうがかわいいし！」
「しーっ、夜なんだから静かにしなよぉ・・・」
「・・・あぁぁ、マジむかつくなオマエ・・・」

九が歯ぎしりをする。

「てゆうか、一匹くらいすぐ追いつくし。そもそも、オレはボーナスが貰えればいいんだし。」
「・・・ボーナスかぁ・・・。」

暗闇に水色に光る丸い瞳が瞬きもせずに見つめている。

「そういえば、今回ボーナスが出る条件ってなんだっけ？」
「条件は契約数13以上だよ。」
「13か。ちょろいな。」
「あのねぇ、イチジク。ちゃんと大戦の時に使える契約者じゃないとダメなんだよ？だから、ちゃんとある程度育てないと・・・」
「・・・わかってるっつうの。」
「その割には3号だっけ、ほったらかしじゃないか~。」
「・・・蛇はちょっと苦手なんだよ！ほら、なんか、卵とか丸呑みする感じが！」
「はぁ？」
「もー、うっさいな！ほかの奴ら使えるようにしてんだからいいだろーっ！」
「イチジク、しーっ！みんな寝てるんだから、もうちょっと音量さｇ」

「オマエも永遠に寝てしまえ」という低い声とともにねこっぱちに拳骨を振り下ろすと、九はまた背を向けて布団をかぶった。


ボーナスの条件の話をし始めたとき、ねこっぱちは妙だったと思う。
ただ単に条件の話をしていたにしては・・・・・・。

急に二つの丸い水色の瞳が脳裏に浮かぶ。
何かを探るような、何かを伝えたそうな、そんな目で自分を見つめていた。

・・・・・・今回だけじゃない。

ねこっぱちはたまにそういう目で自分を見ると、九は思う。
そういう時、九はとても居たたまれない気持ちになる。

どうして自分がそういう気持ちになるのか、わからないけど。

※節分の掛け声ではありません。

作製依頼受け付け中
Lvは12、依頼の際は詳細をホームで確認した後
ホーム、もしくは伝言にお願いします。