〜２５日目〜

魔法使いの日記


メルンテーゼへの接続を中断。

徐々にではあるが、僕とあいつとの間にある縁が強くなってきているようだ。

制限付きではあるが、もう一度肉体を構成することも可能だろう。

……エンブリオという概念への調査は、思うように進んでいない。

『契約し、力を借り受ける』

それは、僕ら魔法使いも広く行っている事だ。

使い魔として動物に知性を与え、ある種の触媒としたり、

時には人の願いを叶え、潜在的な魔力や縁の力を借りる。そういったよくある話。

エンブリオと契約者の間を通る力は、それとは何か異質なものを感じる。

そしてなにより、調査が難航している理由は、

あいつが「ぴか子」と呼ぶあのエンブリオ。

一番近い調査対象であるあいつが、そもそも他のエンブリオと同じものとは呼べない。

ぴか子に関しては、むしろ……そう、前述の、僕達が行う『魔法使いの契約』に近く

もっと言えば、メルンテーゼよりも、僕やあいつの故郷たる世界に流れる力が源流に

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

不意に、後ろから声が投げかけられた。

僕はペンを置き、声をかけてきた人物のほうを見る。

何時見ても、……なんとも言えない姿の（下手なことを考えると思考を読まれる）人だ。



メルンテーゼへの接続を促された。そろそろ、今日の戦いが始まるのだという。

メルンテーゼにある力—特にエンブリオ—には、先生も注目しているらしい。

とはいえ、その調査は、最初に発見した僕に一任（悪く言えば丸投げ）されているのだが。

短く、それでいて難解な詠唱をし、紙片を放る。

ぼう、と淡い光を放ったそれに、ゆっくりと足を乗せて

僕は世界を超越する。

頭を振る

ぶつぶつと呟いている。

そこまで語ってから、マグナは小さく顔を伏せた。
余り、良い思い出は無いらしい。

メンバーの特徴を羅列する、覚えのある者はいるだろうか…

　　　　　　と、比較的真面目な顔であなたの瞳を覗き込むだろう

＊もぐもぐ＊

そこには書きなぐられた一枚の地図

裏ギルドと記されていた