—ただの日記—


—○月×日—

コルリという狐の女の子に出会った。
どうも、地下牢に行きたかったらしいので親切かつ紳士な俺たちは当然タイガーに乗せてあげることにした。旅は道連れである。


尻尾が可愛いのでもふもふしようとしたら引っ叩かれた。


痛い。








そういえば、彼女がもっているエンブリオはまんださんというらしい。おそらくサラマンダーのマンダーの部分を取ったのだろう。

なかなか良いセンスだ。
あだ名を付けることに定評のある俺もおもわずうなる良い命名だ。

というわけで、現在のパーティは俺、タイガー、コルリである。
人間、虎、狐。


どうやら俺はまともな人間とパーティを組んでないらしい。


そんなことを考えながらアクセルを全力で踏む。
反動でコルリが頭をぶつけた。
燃やされた。



まったく女の子というのは気難しいものだ。











—同日—


…ある地下牢での風景…





















ブロロロロロ！！

ギャリギャリギャギャリギャリギャリ！！(何かがこする音)

ギャルルルルル！！(ハンドルを急回転させる音)




ゴン！(ベルが頭を打つ)

—しばらくしてー

彼の言葉は軽く乾いていた。
その事実に対し、最早なんの気負いも存在しないことが読み取れるだろう。
ただ、手伝えることがあったら声をかけてくれ、と、トートのその言葉には、ひとつ瞬きをして。

言い倦ねたように、それだけ返した。

ぽつり呟き、トートの姿をまじまじと眺めてから。

そう零した。

緩く首を傾いでそう返してから、ふむ、と視線を落とした。
そうか、まだ探していたのか、と。
そんな風に零すのが聞こえたかもしれない。

カレーの乗ったスプーンをベルに差し出す。眩しい原色オレンジに浮かぶ水色斑点は見ようによっては異郷の調味料に見えなくもない………かも？

あまり近づないほうがいいかも…………

質問の意図がまるでわかっていないようた。

　失礼なことを、ベルに続けてさらっと言ってた。
　ウルヘアもピィと鳴きながら首肯している。

　話を聞いて、不思議そうにトートをじいと見遣った。

　ざくざくそんなことを言い放った。とりあえず、悪気は無さそう。

そう問いかけたものの、続けて聞いた話に、目を瞬かせた。

　即席勇者も竜探しも、気になるのは気になったが、山退治のインパクトが強すぎたらしい。

　少し語気を落としたが、直ぐに、誇らしげに話して。

コルリの周りに小さな火がまとわりつく