暑い夏、ただ暑いという現実から目をそむけるのではなく
暑い夏だからこそを愉しむ。志を掲げた人達の創意工夫、汗と思い出の詰まったあの夏がやってくる。



[SummerVacation]




「ん。。っはぁ・・・ふっ・・んん・・・・・」



ある夏、ある時、ある倉庫。
そこは普段は物置としてしか使われていない部屋である。
薄暗く静かなここでは、その声だけが静かに響いている。




「はぁ・・・ふぐっ・・・ぐ・・・・んん！！」





・・・・・





「だぁああああああっめッダ。これ、解けねぇーわ。」


両手両足を頑丈に縄で縛られて一体どれだけの時間が経ったであろうか。
今・・この時だって、タンポポ荘の美女たちはあられもない姿を晒し、眩しく輝く水着に着替えているであろうこの時に・・

何故、どうして自分はその場に居ないのか。マキリは理不尽な現実に憤りを感じつつ脱走を試みているわけだが・・
やはりこう固く縛られていては身動きすらまともに取れない。

だが・・だがしかし！！男として・・ここで諦めるわけにはいかないのだ！！


「うぉおおおおお！！！！！！」

鳩尾に綺麗な蹴りが入る。
縄を解くのに夢中で扉が開いた事に気づかなかったのだ。

残酷な通知がマキリを襲う！

ん・・・全員？


よく見れば確かにぬこも水着に着替えていた。
最も、普段がアレなので対した差は無いのだが・・

またもや鳩尾に綺麗な蹴りが決まる！！






・・・・

そう、わざわざぬこが着替えたのもその為だ。
海の家とはタンポポ荘の管理人が出張して経営する飲食店のようなものである。
内容も普段とは違い、夏の海らしく焼きそばやカレー、冷たい飲み物などがほとんだ。

そう言ってぬこが目を開けると既にマキリの姿は無く。渚に飛び出して行った後のようだ。

*+*+*+*+注意書き*+*+*+*+
・[SummerVacation]企画参加中です。
・イベント中の時系列は基本的に無視してお楽しみください。
・タンポポ荘コミュ、リチェッタ特別出張所にも少し参加しています。
・ガールズバーコミュのイベントにもまったり参加中。
・昔の知り合い云々は・・・
　べ、別に本当になんでもないんだからね！

あきれた顔でそう応える。挽いた豆を詰めたフィルターをセットし、
手に持ったままだった判子のような道具——タンパーを台の上に置いた。
エスプレッソマシンのスイッチに手を伸ばしかけたところで、
また顔だけマキリの方へ振り返った。

頭の上から飛び出したちいさいのが飛び回る。
弥千代を守るように、牽制しているような・・・いや、これは確実に狙っている。
顔やら腹にタックルしようと狙っている。

げんきに　うなずいた

ウィルトは　ての　かわりに　しっぽを　ふった

　　

幽霊は心なしか頬を赤らめた、ように見えた。

握った拳を、解く事無く振り上げた。