随分と深い森だね。
ここを越えていくのは難しい…と思うよ。

おかしいですね。野鳥観察の名所と聞いたのですが……。
姿形がまったくありません。乱獲でしょうか？

ジャックさん・・・？

ああ、うん。あの宿でインベーダーゲームやってたのが俺だよ。
よろしくね、ゆずりはさん！

って、ゆずりは・・・杠？
もしかして、苗字は『下柘植』って言います？

いきなり珍妙な質問に聞こえるかもしれないですけど
俺の大事な友達が、そんな名前の人を探していたので
ちょうど探しているところなんです。

秘密…って事は、違ったかな？　なるほど、とてもよく似合ってる、と思いますよ。

もしそうだったら…いえ、何も無いですよ。私が杠さんと仲良くなりたい、って気持ちに変わりはありませんから。

…それとも、手を出そうとしたら私の事、こっそり刺したりするんですか？

い、いの？……ぁの…………あんまり、女の子同士で……行くような場所じゃ無いって……聞いたの。

わ、私よりは……もっと…大切な人の方が……いいと思う…の。

ぇと……そんな怖い話じゃ……ないけど。

その湖は……昔は、枯れたネクターを沈めてた場所……なの…………幽霊のエンブリオを見たって話は無いけど。

……だけども……枯れててもお花はお花だから……それを求めて……危ない魔物が良く出たり……大人の人達の話じゃその……"歪んでる"……らしいの。

だから……お姉さんが巻き込まれたりしちゃ……嫌だから……近づくのは駄目。

……ぅん、オシマイ。

レイってのなら宿であったぞ。

え、えんしぇ？　あ？　うん？

え、となんだそれ。酒の名前か？

災害で街が隔離されたからな。伝染病が蔓延したのもあってな。
嫌な話だが金持ちやお偉いさんが脱出手段だけ持ってておっ死んじまったから、
それで逃げ出せる奴もいたがな。

それに行き当たらなきゃ、生きるためになんとかしようってなるさ。
どうにも先導してる奴もいたようだがな。

一揆に参加したのは、俺みたいにこの世界に迷い込んだ奴がいないか、手っ取り早く情報を手に入れるためだな。

人が集まるところに情報は集まる。
ま、元の世界と違ってここはファンタジーだけあるわ。
エンブリオの力を借りれば俺でもなんとか戦えるんだからな。

え…ええっと…そ、それは…

ひ、秘密です…

や、こないだはありがとうね。

あのあとは無事にちゃんと帰れた？
……子供じゃないんだし、大丈夫だよね。

何か物騒な噂も聞くし、気をつけてね。

——敵影発見。当方に迎撃の用意有りよ。

…闇の眷属が姿を現したか。

お、珍しいのが来たなぁ！！

カルシウム、足りてるぅ？？

カルシウム、足りてるぅ？？

いよぉ。・・・おいちゃん暇なんけど相手してくんね？

こんなものかしら。あっけないわね。

（…さて、これ以上は危険かな）

休んでいる暇はない。直ぐに、先に進むぞ！！

これは？

…これは。

……フム？

———仕方ないわね。やりましょう。

下柘植忍軍、桃。推して参る。

手加減は不要にございます
この竜胆、目は見えずとも"視えて"おりまする

さぁ愉しい愉しい宴を始めましょう♪