さんじゅうにちめ！

最後の敵を蹴散らしてようやく一息。
ゾンビは嫌いです。凍らせても平気で動くし固いし臭いし・・・アラヤちゃんが居なかったら大変でした。

ついでにシルキーを捕まえました。動けないように手足を氷漬けにしてます。
このシルキーがちょこまかと悪戯するから頭に来て攻撃したら、危うくアラヤちゃんに攻撃を掠めちゃったのよね・・・。

治療しながらさっきの戦闘で誤射しちゃった事をアラヤちゃんに申し訳なさそうに謝ると
アラヤちゃんはあまり気にしてない様子で許してくれました。怒ってなくてよかった・・・。

　＊　＊

地下牢の出口に到着してやっとの事で外に出た私達二人。
外へ出るとそこは一面が綺麗な水に浸されていて
白い女神像が水面を反射する光で青白く照らされているなんとも神秘的な場所でした。

あの鬱々とした地下牢を抜けた先にこんな素敵な場所があるなんて・・・！
地下牢に居る間はあまり気分が優れなかった私でしたが
この神秘的な光景を目の当たりにして一瞬に気分もリフレッシュしました！

床に滴る水面からは淡い魔力の光を青く放ち、気分良くくるくる回る私の姿を照らしてくれます。
ここに満ちる魔力は私ととても相性がいいみたいです。ここに居るだけで何だか元気になれます。

アラヤちゃんはそんな私の様子を呆れた様子で、だけども少しだけ楽しそうにして眺めてる様にも見えました。

そんなこんなで地下牢から脱出して素敵な場所にやってこれた事で私が調子に乗ってると
何かが急に私の足に巻き付いてきてそれに驚いて大きな声を上げます。

あまりに無警戒だった私はそれに驚いてバタンと転んでしまいます。
アラヤちゃんが転んだ私を見て呆れた顔で私の方に近づいてこようとしてますが近づこうとした半場で雰囲気が一転。
アラヤちゃんが私の居る方に術式を展開しながら身構え始めました。

そしてアラヤちゃんの術式から飛び出る赤い一閃が私の足に絡みつく何かを切り裂くと
私の足に絡みつく何かはゆっくりと締め付ける力を失っていきます。

私は足に巻きついた何かを確かめようと起き上がりながら視線を足の方に向けると
そこにはどこから現れたのか体長が１メートルは超える大きなイソギンチャクの姿がありました。
・・・うねうねしてきもい。

そして転んだ時の私の声を聞いたのか、奥の方から人魚っぽい女の人たちが現れてきます。

そういえばここも敵地だった事をすっかり忘れてました。
恥ずかしい醜態をアラヤちゃんに晒して顔を赤らめながら助けてもらったお礼と油断してた事の謝罪をします。

あちらの敵さん方はどうやら私達の事を玩具か何かを見つけた様に興味津々の様子。

どうにも逃げられそうに無い様子なのでアラヤちゃんの隣で武器を取り出し術式を展開します。

楽しんでる所をあのイソギンチャクに邪魔された挙句に
アラヤちゃんの目の前で醜態を晒された事で沸々と怒りが沸いてくる私。
本当は調子に乗って警戒を怠った私が一番悪いのですがこういう時こその責任転嫁です。

という訳で地下牢諸々で溜まった鬱憤を晴らす、誤魔化し八つ当たり戦の始まりです！