—————————平原にある広庭。




昨日　とんでもない大事件を引き起こした私は、戦線のメンバーたちから若干冷めた目線を浴びつつ
超絶ローテンションのまま 優秀なエンブリオ、キラーウルフとの契約を交わすため　平原の広庭へ逃げるように戻っていった。　

親方から聞いていたとおり、以前訪れた、広庭の入り口周辺を見渡してみたが やはり目当てのキラーウルフは１匹も見当たらず
仕方なく　私たち戦線メンバーは、王国の兵士がまた待ち伏せをしている危険性のある広庭の奥地へと進まざるを得なかった。









—————————広庭を進んだ先。

広庭の奥へと歩を進めた私たちだったが、キラーウルフと思われる面影は全く見当たらず
それどころか、とても気色悪いジャガイモの化け物と遭遇してしまい　いろんな意味でダメージを受けた私達は

一度、休憩を兼ねて　以前からゴヴニュから要求されていた彼が宿る大鎚を新調する事にした。

よく見ると、大鎚はかなり痛んでいて、これ以上の戦闘はゴヴニュにとって負担になってしまいそうので　丁度良いタイミングであった。

すぅーっと大鎚からゴヴニュの魂が抜けていく。






今回は、ラルフさんにもらった鉱石を鍛えて　大鎚を作っていく。

手ぬぐいで汗を拭い、見事、完成した大鎚を眺める。
丹精込めて鍛えた大鎚は我ながら、とても素晴らしい出来だった。


...ただ、一点を除けば。

完成した大鎚をゴヴニュに渡すと　ゴヴニュは一瞬で目を見開いた。

そう、一つだけ問題があった。　　それは、大鎚の見た目が以前の大鎚と全く同じものになってしまったのだ。

実は、ゴヴニュの体を作製したのは、今回が初めてではない。


ゴヴニュが私の鍛冶で使っていた大鎚に憑依してから　何度となく、新しい体を作成してきたが


毎度、初めて憑依した時の大鎚と同じ見た目になってしまうのだ。

と、いつもこんなやり取りで　決心はするのだが　　結局同じ形になってしまうのだった。

一体何故なんだろう...。


謎である...。














休憩を終え、ついでにメイドさんの武器も新調したので　　私たちはまた、奥へと目指して行った。



キラーウルフと契約を交わすまで、まだまだこの広庭の奥へ向かわなければならないようだ...。

END