[SummerVacation]参加中

「わー、綺麗な海ですねー！」
隣にいるミカーラの声にエスヴィアはそうね、と軽く相槌をうつ
海自体見るのが久しぶりなこともあってか、殊更綺麗に見える。
——楽しそうにも見えるのは私の肉体が元の世界にいたときよりも若返って…というより幼くなってるからかしら？
そこまで考えて、エスヴィアは水着を着た自分の身体へと視線を下ろす
全体的に白いフリルが多めのワンショルダータイプのトップスに、腰にはパレオを巻いたセパレートの水着姿だ。
色は普段の服と近い、濃い青色を選んだらしい。
「お店では似合ってる、って言われたけど…本当のところはどうかしらね？」
そういいながらも嬉しそうに微笑むエスヴィア。まだこの身長…というか体格には慣れていないらしい

まあ仕方ないだろう。この世界へと移動する際、すらりと長かった背は縮んで現状は140cmあるかどうか、というような子供身長
それに対して胸囲はあまり落ちなかったのか、実に発育のいい身体になっている
単純に肉体が若返ったわけじゃない、と気付くのに時間はかからなかったとか言う余談はおいといて
そんな所謂ロリ巨乳。つるんぺたんすとんなミカーラには水着に着替えたときに散々弄られた

「エースー、早く、早くー！」
「慌てなくっても海は逃げないわよ」
離れた所から手を振ってくるミカーラに返事をし、エスヴィアも砂浜を歩いていく
「時間は有限ですよ！屋台回って食べ物買ったり占いなんかもあるらしいですし海で泳がないといけないですし！」
「まったく、半分幽霊みたいなのになってるくせによく食べるわよね、あなた」
遊ぶ気満々、食べる気満々のミカーラに少し呆れた様子のエスヴィア
「半分、ですからね。ちゃんと食べられるし触れるのはしってるでしょー？」
そんなエスヴィアにミカーラは両手の指をわきわきと動かして答える。何を触る気だ
「……まだ弄る気？」
若干頬を赤らめて腕で胸を庇うエスヴィア
「ふふー、後で日焼け止めでも塗ってあげますよー」
そんなエスヴィアを楽しそうに先導するミカーラ

しばらくの間普段とは逆にエスヴィアがミカーラに連れられる形で出店を回り、時間も過ぎて

「ふー、色々食べましたし買いましたよー！」
「全く、食べながら歩いたりしてお行儀が悪いわね？」
「そーいうエスだってしっかり食べ歩きしてたじゃないですかー！？」
「あら、いいのよ。だってこういう場所じゃそれが楽しいんですもの」
「じゃあわたしもいいじゃないですかー！？」
「ええ、いいんじゃないかしら？そんなことよりほら、一休みしましょ？付き合って歩き回ったからちょっと疲れちゃったわ」
丁度日陰にあるビーチチェアに座ったエスヴィアに不満の声があがる
「えー、まだ肝心の海に入ってないですよー！」
「だからそのために少し休むのよ。このパレオだって濡らすわけには行かないでしょうに」
一度腰を上げてパレオを脱いで、荷物の上に掛ける。
露になった白い足をじっと見つめるミカーラにエスヴィアが首を傾げれば
「エスってきれーな肌してますよねー。思わず撫でたくなります」
「やめなさいな。…けどこれといってお手入れしてるわけじゃないわ、このくらいの身長の子供の肌がこんなものなんじゃないかしら？」
「そんなものですかねー？あ、そういえば今のうちに日焼け止め塗っちゃいます？」
「そうね、背中の方お願いしていいかしら？」
「りょーかいですよー！」

そんな感じにつかの間のバカンスを堪能するエスヴィアとミカーラ
日焼け止めを塗るミカーラの手がエスヴィアの胸へと伸びて紅月鎌によるツッコミを受けたのはこの少し後。
ある意味当然の流れであったとか。

「痛いじゃないですかエスー！？」
「あなたこそいい加減にしなさい——っ」

終われ