誰もが暑さに唸る夏の日。
肌を突き刺すように日差しが射し、熱にうんざりする日々が続いていた。

「ふふっ、こういった騒動の中でも中々面白いイベントがあるじゃない」
「一揆っといっても、この世界の王の反乱をやってるから尚の事かもしれないね。先が見えない戦い程、心に重く圧し掛かるものはないからね」
「骨休めってことね。ふ〜ん」

まじまじと店の窓に貼り付けられたポスターを眺めるルーチェ。
あぁ、そういえば彼女には言ってなかったかな。
先日、PTMの一人。僕を含めたPTMに向けて卍人から発表された事を告げると、彼女はすぐさま眉を吊り上げ、

「なんですって！？あぁ、もう。それなら早く準備しなくっちゃ！」
「え、いや僕はもう準備して」
「カーフェイ？まさかと思うけど、前々から買っていた、あの一着しかない水着で行くって何か思ってないわよね？」

思っていました。

「だめだめっ。新しいの買わなきゃ！あの水着色が褪せてきて新しいの買いましょうって言ったじゃない！」
「だって勿体無いし・・・・・・」
「もう、新しいの買いましょうカーフェイ。お互いにうんとお洒落しましょうね」

くるり、と身を廻す動きにつられる様に、彼女の紅髪が緩やかな広がりを見せ、光の残滓が目に映りこむ。
黒の手袋を嵌めた手を、彼女の細い指先が絡み、確かな弾力と強さを持って、カーフェイネスの身体を引っ張った。

・・・・・・このままデートになるんだろうな。

彼女の買い物は長い。そして振り回される事は必然だ。
この様子だと今日一日、彼女に付き合うんだろう。
太陽は眩く、燦々と頭上に頂いている。

「アナタは今度は何色が良いかしら。金糸に白の布地？ううん、ここはインパクトを考えて黒でギリギリまで攻めてみる？イヤン、汗ばむ肌に黒の光沢・・・・・・！」

顔を真っ赤にしながら悶える彼女。うん、ルーチェはどこでも変わらないな。
とりあえずカーフェイは繋がった手に緩く力を込め、久々に繋がった彼女の手の感触を思い出す様にそっと握り返した。



*Eno.435 赤井 卍人様をお借りしました。もしかしたら卍人様の日記に小さな後日談が*

焦点が合わず、げっそりとした顔のカーフェイ。おぼつかない足を引きずるように彼を支えている女性が。

薄色の衣を纏った紅髪の女性。金瞳を細めながら妖艶に微笑む。

＞ご主人

＞ルーチェさん

（ガルはルーチェと顔見知りですが、カーフェイの嫁とは知らなかったようです）

＞カーフェイ君

目線をルーチェさんのお胸に下ろした瞬間、衝撃が走った。

水辺を歩いていると、銀色の髪の女性と青い髪の少女に会う。

恥ずかしそうに頭を下げる。

驚いたり、あたふたしたりと忙しそうに動いている

罪悪感が半端ない。

*何かを発見して嬉しそうだ*