〜6日目〜

久しぶりに真っ当に日記を書いている気がするが、一昨日は書いてたので多分記憶違いじゃろう。

少し前に出会った……同じ一揆参加者らしい嬢ちゃん。
狼を『相棒』と呼ぶ彼女と話していて、少しだけここに来る以前の事を思い出した。


そう、ワシにも、狼の身内が居た。
じゃがそれは相棒というよりは、もっと違う……弟子、とかそう呼ぶのが近いじゃろう。
ワシと同じ、人ならざる人に生まれついた子。ワシの子、じゃなくて、孫。
ワシの教えられるものは全て、アイツに教えたつもりじゃが、思い出せる限りでは小さな子ども。
今頃、どういうふうに成長しとるのかのう。

先ほどそれっぽく書いたとおり、孫は狼になれる力を持っていた。

それは白く、小さな狼。ワシと同じ力を持って生まれた子じゃと、そう思っていた。

ワシが姿を変えられるのは、同じく狼。
白く、大きな、狼だった筈。

赤い、異形の四肢を持つ、あの獣は……一体何じゃ？