深夜：ローゼの部屋にて・・・

「……尋ねるわ。正気かしら？」
ヘイルが料理をしてる途中、お茶を飲んでいたらアズがやってきた。まあ、いつものおしゃべりだと思ったけど……
「うん、魔法も教えて欲しいけど、今のままだとお姉さまの足手まといだし……」
「で、そのために私と主従契約を結びたいってことね。確かに吸血鬼と契約を結べば力を得ること自体は可能よ」
一息置いてアズの方を見る。確かに手っ取り早く力を得る。という点では私と契約を結ぶのは悪くないが……
「却下。悪いけど一時の感情にまかせて契約を結ぶなんて愚の骨頂。ヘイルのように覚悟はあるのかしら？」
「……それは……」
「ま、ただし約束を反故するわけにはいかないからね。ちょっと待ちなさい」
確かアレは眷属が持っていたはず。魔力を通じて眷属の目を通す。やはり持っていた。すぐに命じてこちらへと持ってこさせる。
「ほら、受け取りなさい」
「これは？」
「発動体よ、私の世界ではこれを使って魔法を使うの。最も、私には要らないものだけどね。それに私の血を分けてあるわ。ある意味仮契約みたいなものね。おそらくあなたはまだ魔力の使い方が慣れてないからうまく出来てないだけ。潜在的にはヘイルよりも高いはずよ」
受け取ったアズは戸惑いながらも見ている。ま、魔法と一概に言っても世界によって違うから色々と慣れないといけないんでしょうけどね。
「ありがとう」
「後はまあ、適度魔法を見てあげるわ。後は頑張りなさい。ただ、私が色々と危ういと思ったら勝手に契約解除させてもらうわ。いいわね」
まあ、力に溺れる姿なんて見る気はないからね。前ラーフィやアルミナに吸血鬼らしくないって言われたけど。私は私のやりたいようにやる。それだけのこと

暫し熟考して．

ウィルトは　しんちょうに　あいてを　みている。