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探索71日目 基本行動の宣言を確認しました。 |
Diary |
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「ねぇ、りっちゃん。わたしと一緒に旅に出ない?」 思わず自分の口から出てきた言葉に、わたし自身驚いていた。 それはりっちゃんも同じだったらしく、黒い円らな瞳はいつもよりも大きく見開かれている。 わたしは本当に思ってなかったのだろうか。 ううん、そんなことは無かった。 りっちゃんと一緒にこの島を出て、わたしを呼んでいる『誰か』の所までの・・・場合によっては、その先までのいつ終わるか判らないような道程を、一緒に歩いていきたい。 それは密かに、ずっと思い描いていた光景だった。 だけどそれは言わないつもりだった。 今までわたしと居てくれたのは、たまたま縁があったから。 右も左も判らないわたしのことを、見捨てずにいてくれたから。 口は少し悪いけど、心優しい小動物だったから。 だけど、りっちゃんの家は、故郷はこの島だ。 この島を出てまで一緒に居たいと、付いて来て欲しいと思うのは、わたしの我侭。 「わたし、不安なんだよ・・・一人で旅をしていけるか」 そう、不安なのだ。 旅をしていくことが、では無い。それは『一人で居ること』に対しての不安。 わたしはこの世界で目覚めてからずっと、周りに居る暖かい人たちと過ごしてきた。 その前のことは覚えてない。そもそも、わたしにその前があったのかも判らない。 もしもあったとしたら、きっと沢山の良い人たちに囲まれていたのだろう。 こんなにも、親しくなった人と別れるのが辛いという気持ちがあるのだから。 ううん、親しい人の別れなら、今までも何度かあった。 でも、ここまで辛く切なくなったことは無い。 「りっちゃんが隣に居てくれたら、きっと進んで行けると思うんだよ」 それはりっちゃんだから、なのだろう。 時には導いてくれ、共に笑い、悩み、励ましてくれたり、叱責してくれたり。 いつも隣に居てくれたりっちゃんだから。 もしかしたら、旅の途中でわたしと一緒に歩んでくれる人も見つかるかも知れない。 でもそれは、りっちゃんじゃ無い。 「一人じゃ寂しくて・・・進めなくなっちゃうかも知れない・・・」 ポツリと心の奥底から漏れ出る、思いの雫。 そしてじんわりと視界が滲んで、何も見えなくなってくる。 わたしは慌てて、そっと袂の端で目元を拭う うつむき黙り込むわたしの耳に、りっちゃんのぶっきらぼうな声が聞こえた。 「一緒に行ってやるよ」 「・・・いいの?」 「行ってやるって言ってんだろ」 「何処まで行くか、判らないんだよ?」 「良い観光になるさ」 「何時までかかるか、判らないんだよ?」 「全然かまわねぇよ」 「本当にいいの?」 「しつけぇな。だから、いいって――」 わたしはりっちゃんを抱きしめていた。 拭ったはずなのに、涙が頬を滑り落ちる。 でもそれは、先程までとは違った性質のもの。 ああ、りっちゃんがこんなにも許してくれるから、わたしは甘えてしまえるのだ。 「ありがとう、りっちゃん・・・」 その時、なふゆ達の近くの空間に黒い歪みが生じた。 それは瞬く間に輪郭をなし、人の形をとった。 そこに居たのは烏羽色の長い豊かな髪の、一人の女性。 胸元の大きく開いた漆黒のドレスを身に纏い、キレイに整った顔には楽しげな笑みが浮かんでいる。 「久しぶりじゃのぅ、心は定まったようじゃな」 「あ、エリエスヴィエラさん」 「オマエは魔王。一体何の用でぃ」 「何の用とはご挨拶じゃの。わざわざ力を貸しに来てやったというのに」 この急に現れた人は、エリエスヴィエラさん。 『人』とは言ったが、正体は人間ではなく、この島に在る六柱神の一柱《魔王エリエスヴィエラ》という存在らしい。 彼らの役目は、加護を与えること。この島に居る冒険者は、必ず何れかの神と従属契約を結ぶことになっている。 そしてわたしは、エリエスヴィエラさんと契約をしてるんだけど・・・。 「力を貸すって、何のこと?」 「この島から旅立つんじゃろ、その手助けじゃ。本来そこまでするのは越権行為になるが、まあ最後の餞別だし、構わんじゃろ」 「わ〜、ありがと〜。・・・でも、何でわたしが島を出ることを知ってるの?」 「以前言ったはずだがのぅ。力を貸す見返りとして、お主の観察をするということは」 「なふゆがまともに行動しなくなってからずいぶん経つのに、まだ観てやがったのか!」 小動物が呆れたように言うと、魔王はしれっと答える。 「お主たちと違い、“眼”も“刻”も有り余るほどあるからのぅ。案外、うっかり“眼”を離している間に面白いことが起こるものだし、それを逃したくは無いからのぅ」 確かに、最近は面白みに欠けていたがのぅ。と魔王はわずかに眉をひそめた。 本来、この島の神たちは力を貸す以上のことをしないのが規則らしいが、この魔王は変わり者らしく、わたしを含めた自分の契約者を無数の“眼”で観ており、ちょくちょくちょっかいを出してくることが多い。 「まあ、それはともかく。銀雪を纏いしモノよ、お主が去ってしまうのは名残惜しいが、これも定めなんじゃろな」 「よく言うぜぃ。オレッちたちのことなんて、ゲームのコマ程度にしか思ってないくせに」 「ゲームの途中で盤上のコマが失せては、興醒めもいいところじゃ。こう見えても、お主らのことはそれなりに買っておったのじゃぞ」 魔王はそう言うと、わたしに近づいてくる。 「しかし、島を出ることにしたのなら何時までも話していても仕方あるまい。しばし眼を閉じておれ」 わたしは言われた通りに目を瞑った。 すると左肩にりっちゃんが駆け上る感触と、右肩に魔王の手が置かれたのを着物越しに感じた。 「では、『飛ぶ』ぞ」 エリエスヴィエラさんのその声を聞いたと思った次の瞬間、体の重みが無くなるような感覚と共に、わたしの意識は遠のいていった。 「もう目を開けても良いぞ」 その言葉と共に、体の感覚が戻ってくる。 わたしがゆっくり目を開くと、まず水平線に沈みかけの大きく真っ赤な太陽が映った。 そのまま辺りを見渡すと、どの方向にもまばらに生えている常緑樹の先に海が見える。 どうやら何処かの小島に『飛んだ』らしい。 「ここって・・・」 「この地はな、使われることの無かった聖域じゃ」 「聖域?」 魔王はその問いには答えず、木々の間を縫うように歩き始めたので、わたしはりっちゃんを肩に乗せたまま後を追いかける。 この小島はさっきまで居た島よりもだいぶ小さく、ぐるりと一周するのに一時間もかからなそうな広さしか無いように見えた。 しかしそんな狭い島だからとはいえ、まったく生き物の気配はしない。 「先程までの島の南西の方角に当たる位置にこの島は浮かんでおるが、少々特殊な結界に覆われていてのぅ。冒険者は元より、野生の動物も入り込むことはおろか気付くことも出来ぬ」 まるで心を読んだかのように魔王は言うと、ポツリポツリと語りだした。 「この世界――エルタの地より真南の方向の在るこの地は、『島』という基本存在概念は持つが、時空や法則は一定では無く、常に変遷し続けているのじゃ」 やがて、歩みの先に小さな祠が見えてきた。 落ち着いた色合いの、白い石積みのそれは、長年の風雨に晒されて幾分かみすぼらしい姿をしている。 しかし正面に開いた降り階段の先からは、何とも言えない不思議な力が感じられた。 「これは前々時代の遺物、あの忌まわしき\x87\x80災厄\x87≠ノ対抗するための、最後の砦・・・」 魔王はそのまま進んでいくので、わたしたちは一緒に着いて階段を降りていった。
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Message |
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メッセージはありません。
以下のキャラクターにメッセージを送りました。
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水霊同盟。 |
コミュニティメッセージはコミュニティページで確認できます。 |
長編日記倶楽部 |
マネッタ(1820)の愛: マネッタ「日記でたまーにだけど、あとで中の人が思い出して枕に頭うずめてジタバタするくらいの、恥ずかしい台詞&展開をさせたくなるね! 実際、何度かあるけど気にしたらダメだよ!」
マネッタ「それにしても、更新70回を突破してもなかなか終わりが見えてこないねー? 榊さんに球体を全部渡した時点で終了(黒幕出現?)かしらん?」
マネッタ「そもそも、未だに闇の宝玉すら出てきてないのが不思議よねぃ。 あるとしたら、榊さんイベントと関連が薄そうなビアストかバリトラ方面かなぁん?」
クレア(1455)からのメッセージ:
クレア「まだチェックしていなければ
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そだっていく、ちいさな草と葉。 〜千草〜 |
ミオ(1919)からのメッセージ: ミオ「ろうそくは、とけていくけれど、 生まれてくるのは、ふしぎに思えてくるね。 ミオも、生まれてくる灯りかた、さがしてみようかな。」
偽島一のおつかい海月ウメ(1659)は蛸ではありません。もちろん火星人でも。:
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Main |
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技回数の振り分けが確認されませんでした、てきとーに振り分けます。 グリームビート に技回数を 8 振り分けました! カース に技回数を 8 振り分けました! ディム に技回数を 13 振り分けました! 萌えろ に技回数を 10 振り分けました!
現在の体調は いい感じ! |
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訓練により 魔力 が 57 上昇しました!(能力CP - 120 ) 訓練により 魅力 が 27 上昇しました!(能力CP - 46 ) 訓練により 水霊 のLVが 1 上昇しました!(戦闘CP - 61 ) 訓練により 水霊 のLVが 1 上昇しました!(戦闘CP - 62 ) 訓練により 水霊 のLVが 1 上昇しました!(戦闘CP - 63 ) 訓練により 装飾 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 59 ) 訓練により 海市蜃楼 のLVが 1 上昇しました!(上位CP - 57 ) 訓練により 海市蜃楼 のLVが 1 上昇しました!(上位CP - 58 )
【合言葉&場所チェック】
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声が聞こえる・・・ |
遺跡外では様々な声が飛び交っています! |
Data (第70回 第72回) |
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ENo.107 銀雪を纏いしモノ |
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* 単独行動中 * |
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[PL] 節季を謳いしモノ |
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