ノエル「神様のところまで背中にのっけていってもらえるってすごいねえ！
やっぱり空を飛んでいったりするんでしょう？　わあ、一度乗ってみたいなあ！
その神様はどんな高いところにいらっしゃるんだろう！」

ノエル「でも、神様がいつも高いところにいらっしゃるのは不思議だなあ…
虎さんみたいに雨の神様だったりするのはわかるけど、大地の神様とかだったら、
地面のずーっと下のほうにいらっしゃってもおかしくないのにね。」

ノエル「…陸が生きている。　ふうん…ちょっと違うかもしれないけど、ぼくたちの国では
世界は、一番最初の神様が起こした『波』の間に生まれたってお話だったよ。
波が引いて満ちて、たぶんそれで今までの世界は終わってまた新しい世界になるんだって…
　　　　　　だからぼくたちの大陸は『仮初の大地』って呼ばれてたよ。」

ノエル「雨は、空にのぼった水がたまって降りてくるって、博物誌には書いてあったと思う。
ひょっとしたら、水の中でも、ただの水じゃなくて、そういった神様のところまで
のぼることを許された、特別な水じゃないとダメなのかもしれないね。
　　　　　　そうしたら、砂漠にはもともと水が少ないから、雨になれる水も少ないのかなあ…」

ノエル「虎さんのところではバランスがとれていたってことは、踊り子さんの国みたいに
乾いた土地や、沼かなんかでズブズブの土地は虎さんの国にはなかったのかな。
でもそうやって、どっかでバランスをとってる存在がいるなら、砂漠の人たちは
　　　　　　その土地の雨の神様に気づいてもらうために、お祭りや踊りをするのかもね。」

ノエル「今は、人の見つけ出した知恵でそれが何とかなっているけど…でも神様への感謝もちゃんと
忘れていないって素敵なことだと思うよ！　神様に感謝するってことは、その『土地』を
尊敬するってことだから…そういう気持ちがなければ、皆、さっさと土地を捨てていたかも
　　　　　　しれないし、今あるみたいな知恵は生まれなかったかもしれないものね。」

ブラン(175)からのメッセージ：
ブラン「踊りは得意じゃなくってね…すぐ足が絡んでね。かといって二足はふらふらで。
薔薇や虎以外にもなれるみたいだけど、私はこれが一番気に入っててね。
神様が最初にくれた姿だからかな、なんだかしっくりくるんだよね。」

ブラン「神様の数も概念も、存在の仕方も…いろいろと違ってるみたいだね。
私のところは、ノエルさんの言う東の国に近いのかも。神様、割とたくさん居てね。
それ以外にも聖獣とか精霊とか、人だけじゃなかったからねぇ…。」

ブラン「神様は見ていることの方が多いように思うかな。創った世界がどうなるのかって…。
全てが自分の子供のようなものなんだよ、って話してくれた神様も居たよ。
神様によって人のことをどう思ってるかも違うから、恩恵も様々っていうのもね。」

ブラン「でもどの神様も、祈ったりお願いされると、放っておけないみたいだったよ。
いつか報われるように…ってね、本当に手助けくらいだけど、見捨てることはなく何かしらしていた。
だから神頼みはいつか叶うモノ…って思うんだ。信じていた方が、神様も自分も嬉しいかな、って。」

ブラン「どんなに神様や私たちが手を貸しても、どうなるかは全て人が握っていること。
それを生かしたからこそ、今でも続いている。人って本当に凄いなぁって思うよ。
色んなモノを創ることができるし、力を合わせて生きている。信じるってこともし合えるから…とても素敵だと思うよ。」