ENo.710 オデコとジイヤ

「ツァオベラー・フェスト参加中！」

スプリ「それじゃあみんな、頑張って準備しましょう！」

そう元気よく言ったのはあの花頭だった。
ニコニコと楽しそうに、本当呑気なものである。
まあアタシもなんだかんだ言って、結構楽しみにしていたりは、する。
同年代とこういうお祭りのようなことに参加することって、これまでなかったから。

ワンダ「おー新入はげんき良いね！あたしはテキト〜にやるからかわりに頑張ってよ。」
オデコ「ちょっと！アンテセラの文化を伝える立場として来ているのよ！もう少し真面目にやって頂戴！」

そしてこのワンダの水の刺しっぷり。
まったく、なんで彼女も参加することになったのか……。

ワンダ「そうは言うけどさ〜……その格好だと説得力ないじゃん？」
ステラ「あら、可愛いと思いますよメイド服。きっと喜ぶお客さんもいるんじゃないかしら。」
オデコ「わたくしの趣味じゃないわよこれは！ジェームズが給仕の服装と言えばこれでしょう、って言うから……！」

今アタシが着ているのは、普段コルストフィアの屋敷で働いているメイドたちと同じものだった。
見慣れてこそいるものの、自分が着ることになるなんて……これまで考えたこともなかった。
どうしてジェームズはこんなものまで用意してるのよ……！

ナナコ「うふふっ、ですが折角のお祭りなのですし、そういったことも楽しめばいいのだと思いますわ。」
スプリ「そうですよね！わたしたちもお客さんも楽しいのが一番嬉しいです！」
ステラ「それはそうと……あなたはあなたで、その格好は……何？」
スプリ「これですか、水着です！サウストラリアの民族衣装ですよ！」

問題はそこじゃないと思うの。

ナナコ「まあ！こんな季節ですのに……お寒くはございませんか？」
スプリ「えへへ、寒いけど盛り上げるために頑張りま……ヘブシッ！」
ワンダ「服着なよ……。」

* * *

ワンダ「そういえばさ〜、ギスランタリって飯がマズいんでしょ？メニューに載せちゃっていいの？」
オデコ「伝統あるギスランタリ料理が不味いですって！？フロントの食事なんて、大味すぎて不健康極まりないじゃない！」

言うことに事欠いてなんてことを言うのか！
礼節を欠くだけでなく粗野で、しかも勝手な思い込みで相手を馬鹿にするなんて……！
今回の勝負、彼女にだけは負けられないわ！

ナナコ「私も少々、脂っこいものは苦手でして……。」
スプリ「わたしは好きだなあ！ほらこう、すっごくごはん！って感じで！」
ステラ「ほら言い合いなんかしてないで、準備中よ？……でも折角だし、それぞれの国の料理を試食してみる、というのはどうかしら？実際に食べてみれば納得もできるでしょう？」
スプリ「わあっ、楽しそう！わたし賛成です！他の国のごはん食べてみたい！」
ワンダ「一仕事する前に腹ごしらえはしたかったことだし〜、いいんじゃない？」
ナナコ「それでしたら、お飲み物は私が準備しますわ！」
ステラ「いえ、飲み物も国独自のものがあるでしょうし、お気持ちだけで……。」
ナナコ「そうですか？残念です……。」

キュレイセン様、ナイスフォローですわ。

スプリ「はいはーい！それじゃあスプリからいくね！サウストラリアからはミートパイ！」
ワンダ「お〜いいんじゃん？ついでに酒が欲しくなるな〜。」
オデコ「接客をやるって言うのに、お酒を飲むなんて話がありますか！」
スプリ「あっ、でもスポーツバーとかがあって、そこではみんなミートパイ片手にお酒飲んでるよ！」
ナナコ「太りそう＾＾」
スプリ「！？」

ワンダ「それじゃあ次はあたしだね。ホントは酒出したかったんだけど〜、色々うるさいからハンバーガーとコーラでどう？」
ステラ「他の国でも結構定番ですよね。馴染みもあるし、軽食らしくていいと思いますよ。」
オデコ「やっぱり大味ですわね……まあ、たまに食べるには悪くないですけど。」
ワンダ「素直じゃないな〜、おとなしく美味しいって言えばいいのに。」
ナナコ「っ……油が……（ウップ）」

オデコ「いよいよ伝統あるギスランタリ料理の出番ですわね！……ですがその前に紅茶でも頂きましょうか、口直しにもなりますし。」
ワンダ「口直しってことなら、むしろ後がいいんじゃない、それ。……まじい。やっぱ高級な味は合わないな〜。」
ステラ「ああでも、やっぱりギスランタリの紅茶はすごくいい香りがするのね。」
オデコ「ふふ、そうでしょう？それで料理の方なんだけど被ってしまってミートパイでして……でも、味付けが違うからいいですわよね？」
スプリ「うんうんいいよお！ミートパイ好きだから食べちゃう！（パクッ）」
ワンダ「ま、食べてみないとわっかんないしな〜（パクッ）」
ナナコ「それでは私も頂きますわね（パクッ）」
ステラ「ああ、私はもうおなかがいっぱいになってしまったので……。残念ですけどご遠慮しますね。」
オデコ「ど、どうかしら……？」

みんながミートパイを口に含んだのを確認して、少し不安になって聞いてみる。
すると花頭が激しくテーブルを叩いて――

スプリ「（ダンッ）ごめんなさいオデコさん！勝てなかった！わたし勝てなかった！」
ワンダ「うげ……まじでこんなの食べてんの？犬の餌のがマシだよコレ。」
ナナコ「マルゲリータ様もそうでしたが……ギスランタリの方々は食を苦行にするような文化があるのですか？」

散々な言われようである。
特に好き嫌いなくなんでも食べそうな花頭にまでこう言われてしまったのは……正直ショックだ。

ステラ「ちょっとみなさん言い過ぎですよ。ほら、紅茶と一緒に頂いたら美味しいのかもしれないじゃないですか。」
オデコ「そ、そうよ！こうやって一緒に食べれば……ほら、口の中で絶妙に奏でられる不協和音が……。」
ワンダ「ダメじゃんそれ。」

ええ、わかってたわよ！
だってアタシだって、普段食べてるのはブーツ料理とかなんだもの！

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リンクス・リング『Cafe！』

☆概要☆
　複数名のリンカー及びリンクスによる接客勝負。
　接客技術や対応速度だけでなく、同時にリンクスを操りパフォーマンスを行うことも競技内容に含まれる。
　それらを総合したお客様満足度を得点とし、より高得点を得たリンカーとリンクスが勝利者となる。

☆ルール☆
　参加者はPTメッセやつぶやきに点数をつけたランダムメッセージを5回発言します。
　5回の発言で出てきた得点を合計し、その得点が最も高いキャラクターが勝利者となります。

オリヴィア「リンクス・リング『Cafe！』――レッツ・リンク！」

後日余裕があれば、余裕があればアイコンとか絵とかつけたバージョンの日記を下記URLに！余裕があれば！！
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