ENo.49 Nicolas=Connick

この日記は、以下のPMをお借りして書いています。

ENo.45 ギミーコラウス=Ｄ=ノット
ENo.157 フィリシア＝ローディ
ENo.326 刹那ナギサ
（刹那リヅキ

エスタからスティルフへと引き返す途中、切り立った崖にある洋館を見つけた。
新しく聞いた依頼の中にゾンビ退治があったが、ここがそのゾンビの蔓延る場所のようだ。

？？？「ぁ、貴方たちは依頼を見て…？」

洋館のすぐそばの茂みから、シスターの格好をした少女がひょこっと顔を出した。

レムネット「私は…レムネット、といいます　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
えぇと、ここが例の洋館で、この中にゾンビがたくさん……」

シスターの話を聞きながら、洋館に目をやると―――

　
ガタガタガタッ！！

　

レムネット「………ぇ？」

ゾンビ「いい、天気だ………」

―――物音と共に、ゾンビが現れた。

ニコ「あれが、ゾンビ………？」

ギミィ「見るからに、ただの人ではなさそうだしなぁ、ゾンビってことで間違いないんだろ」

ほっぺ「ゾンビ！ゾンビ！」

ギミィ「………ただ、俺の知ってるゾンビは、日の光には弱いはずなんだがなぁ」

そう、ぼくの知っているゾンビの話も、同じように日の光には弱い……というものだったのだけれど…。

フィル「ゾンビって、そういうものなの………？でも、あの子達は全然平気そうね」

ギミィ「っつーか、むしろ日光浴でも楽しもうってくらいの勢いだなアレは」

ニコ「…………気持ちよさそうに………浴びてるね………」

どうやら、この世界のゾンビは、ぼくたちの知っているゾンビとは少し違うみたいだ。

ナギサ「どっちにしても、あれを倒せばいいんでしょ？やる事は一緒だし、問題無い！」

リヅキ「っていうか……あれ、退治する必要あるのかな……」

ニコ「………害は…………ないかも…………？」

それがゾンビであるという事以外、あまりに平和な光景だったため、
素通りしてもいいのではないか、とまで考えはじめたその時

ギミィ「……おい、どうも素通りって訳にもいかないんじゃねぇか？」

そう言われ、改めて周りに目をやると―――

ゾンビ「今日はいい天気ですね」

いつの間にか周りを、大量のゾンビに取り囲まれていた。

ニコ「…………こんなに………いたんだ………？」

ほっぺ「ゾンビ！ゾンビたくさん！」

フィル「ゾンビって、群れで生活するものなの？」

そう言っているうちにも、別のゾンビが洋館から出てきているようだった。

リヅキ「俺達の三倍くらいは……いそうだね」

ナギサ「ってことは一人で三匹倒せばいいってことね！」

ギミィ「そうやって簡単に片が付けばいいんだがなぁ」

リヅキ「姉さん、姉さんは余裕かもしれないけど、みんながそんな事出来るわけじゃないからね？」

ギミィ「そう言う事だ。それに、これ以上増えないって保障もないしな」

単純に一緒に日光浴を楽しもうというだけなら害はなかったのだけれど、
こちらに向ける視線や態度、逃げ場のない囲み方はそういう事では無さそうだ。

ニコ「…………一旦………退却……？」

リヅキ「そうだね、なんとか囲みを破って抜けださないと」

ギミィ「よし、シスターは真ん中に隠れ――

レムネット「前は任せてください、体力には少し自信があるんですっ！」

ギミィ「ちょ、え、ちょっ、あんたも戦うのかよシスターさん！？」

言葉の通り、シスターは誰よりも早く、ゾンビの群れの一角に飛び込んでいった。

シスターって、戦うにしても光魔法や回復なんかが得意そうなイメージだったんだけど……。
どうやら、この世界のシスターも、ぼくたちの知っているシスターとは少し違うみたいだ。

ナギサ「よーし！あの辺りのゾンビを蹴散らせばいいのね！」

シスターに続いて、ナギサも同じ方向に飛び込んでいく。

ニコ「…………ぼくたちも………続かないと」

ギミィ「っと、そうだな、女子供だけに任せとくわけにはいかねぇ、いくぞ！」

ほっぺ「いくぞ！ほっぺちゃんも、いくぞ！」

こうして、二人の後を追う形で突撃し、囲みの一部を退治しつつ洋館から離れることができた。

大量のゾンビが追いかけてこないか、心配だったのだけど、

ゾンビ「さてと、二度寝二度寝」

ゾンビ「なかなか寝付けねぇんだから、起こすなよ？」

洋館からあまり離れる気はないのか、すぐにその中へと戻っていったようだった。

ニコ「まだ…………たくさん………いたね………」

ギミィ「大分倒しはしたんだがなぁ、一旦退いて正解だったみたいだな」

リヅキ「あれだけの数を退治するには、もう少し実力をつける必要がありそうだね」

ナギサ「そう？私はまだまだいけるわよ！」

リヅキ「姉さん………」

フィル「ナギサちゃん、本当に元気なのね……」

レムネット「だ、大丈夫ですっ、どうやらゾンビ達は、あの洋館に近づかなければ襲ってこないようですしっ
も、もう一度退治にきて頂けるまで、私がしっかり見張っていますから……！」

リヅキ「ほら、シスターさんもこう言ってくれてるし……ね？」

確かに、あの洋館に何かあるのか、離れてまで追ってくることもなかった。
見張りまでしてくれるというのなら、危険を冒してまで急ぐ必要はないかもしれない。

ニコ「………無理は…………良くない………よ」

ほっぺ「ほっぺちゃん！ほっぺちゃんもまだまだいけるわよ！」

ニコ「………………ほっぺも………駄目」

こうして、一旦ゾンビ退治は諦め、予定通りにスティルフのある西へと進む事になった。

丁度、スティルフから東に行ったところで露店のアップルが暴れ出した、とかいう依頼があったはず。
暴れているアップル、というのは想像が難しいけれど……飛びまわっていた束子みたいなものだろうか？

その日は、空を飛びまわるアップルや、大量のアップルが繋がって人のような形をした化け物、色々な姿を想像しながら眠った。

・

・

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そして翌日

ニコ「暴れる………アップル…………どんなの………かな」

ナギサ「アップルさん、きっと名前の通りに可愛いんじゃないかな」

リヅキ「でも、退治依頼が出されるくらいだし、少しは強そうな格好になってるんじゃないかな」

ニコ「…………口みたいな………割れ目？と……………牙がある………とか？」

ナギサ「そんなの可愛くない！」

そんな話をしながら目的の依頼先へ急ぐと、そこには、たしかにアップルさんがいた。

アップルさん「……何だてめぇ」

想像とは、かけ離れた姿をして。

ニコ「……………あれ…………だよね……？」

リヅキ「アップルなのは……間違いない……ね」

ほっぺ「あれ？暴れアップル、あれ？」

ナギサ「想像と違う！あんなのアップルさんじゃない！」

アップルさん「おいぃ……一服中にジロジロ見てんじゃねぇよッ！！」

ナギサ「怒鳴られた！全身赤タイツのアップルに怒鳴られた！」

リヅキ「ヤンキー座りで煙草吸いながら怒鳴られた……」

ニコ「…………筋肉質な……………アップルに…………」

ほっぺ「怒鳴られた！怒鳴られた！」

アップルくらいは、どの世界でも共通かと思っていたけれど………
この世界は、アップルすらぼくたちの知っているアップルとは違うみたいだ。