記憶の中にある生物の特徴を、自らの肉体で再現できる能力を持つ。
ネコミミを生やす等の外見的特徴から、犬の嗅覚、馬のキック力等の能力までコピーできる。
それが記憶の中にある限り、物理、質量保存、その他もろもろの法則を無視して行える。

更に段階を深めて『理解』する事によって、観察した個体を寸分違わず模倣する事も可能。
ただし、姿を変えるだけならまだしも、内部までトレースすると思考までも姿に引っ張られるため、
『理解』の結果をフルに扱う時は、孫悟空が髪の毛から分身を作るが如く
体の極僅かな一部分をその生物に変質させて切り離し、操作する事で代用する。

普段の姿は、黒髪黒目の、何処にでもいそうな青年。
自分が記憶している限りで初めて出会ったと思われる男のものを模しており、
「ななしの」とはその男が用いていた呼び名。
ジョン・ゴンベエ・スミスは自分で付けた。結構気に入っているらしい。

自分探しのためにフラフラと旅をしたものの、
途中から諸国漫遊、ご当地巡りのような意味合いで歩く事にシフトする、適当かつざっくばらんな性格。
能力的性質から発生する、全てを受け入れるが故の無関心と事象を観察してしまう研究者的な性格がミックスされた気質に、
コピー元となった青年の熱血主人公的な性格が混ぜられている。
何事もなければ何もしないが、何かがあればそれを観察しつつちょっかいを出す、祭り好きとも言える性分。
それでいて結果はどうでもいいと考えているので、首を突っ込まれた方からすれば始末に悪い事も多い、面倒臭い奴。
自分の能力では完全にコピーする事が不可能な、修練を重ねて得た技術を好む。

いつから存在しているのか。
何処から現れたのか。
今の外見になる前はどのような姿だったのか。
本人を含めて現在知りうる者は一人もいない。

つまるところ、なんだかよくわからないなまもの。
能力の変態さに反し、結構普通っぽいなまもの。