ENo.2685 ミリサエラ・エダフォズリ

初めての戦闘はどうやら私たちの勝利に終わったらしい。らしいっていうのは夢中になって金槌を振り回してたら終わったからなんだけど。最終的にルージュさんが捕まえて終了した。

あ〜〜、しんどい。

私は全身の力を抜くように座り込んでしまった。

ルー「自分に惚れろだの、邪魔するなだの、注文の多い植物じゃったのう」

ルー「その金槌の見事な一撃、見せて貰ったのじゃ……っと、まだ喋れそうにないかの」

サエラ「……あ〜、一応喋れる…かな…？」

サエラ「そっちは…、大丈夫そうだね。見た目は可愛いのに凶暴だったなぁ〜…」

倒せたけどかなりボコボコにやられてしまった。こっちの世界に来てからなんだか打たれ強くなってるみたいだけど…。

サエラ「さて、座り込んでても仕方ないし、先に進もっか？」

立って体をほぐす。ん〜〜〜〜！やっぱ緊張してたからか体が硬くなってたみたいだね〜。

ルー「うむ。此奴の言う事が正しければ、方角はこっちらしいからのう」

ルージュさんがさっきまでうるさかった（現在はしょんぼりしている）野苺ちゃんを持ちながら言う……あ、放り投げた。

ルー「急がば回れというが、此度ばかりはそうも言っておれんのじゃ」

一緒に森の外を目指して歩き出した。

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ルー「のうサエラよ、少しあの木陰で休――おおっ！」

ルージュさんが話しかけてきたと思ったら、駆け出して、

ルー「サエラ見てみるのじゃ、こんな所にわんこがおるぞ！」

と言ってきたので見てみる。

サエラ「わんこって…、あ、オオカミですね〜って、危なくないですか！？」

うわぁ〜！？さっきも襲われたのに狼とか猛獣じゃん！？

だ、大丈夫なのかな〜。ジリジリと警戒しながら寄ってみると…。

サエラ「あ、なんだか弱ってるんだね」

良く見てみるとぐったりとして疲れ切っているみたい。
結構強そうな狼なのにやられたんだろうか？
まぁ、この世界は強いのはすごく強いって聞くもんね〜。

ルー「わんこも狼も同じようなものじゃよ」

ルー「じゃが、まあ――此奴は、ちょっと特別な奴かもしれんのう。のう、オオカミや？」

と、まるで狼が言葉が分かるかのように話しかけるルージュさん。
動物を飼ってた人が良くする行動だなぁ〜と思い出すけど、そういえば使い魔を使役してたっけ。そんな感じなのかな？

ルー「ふむ。リボンもつけておるし、人慣れしておるようじゃから、やはり人に飼われていたのかのう……？」

ルージュさんが何か言っているけどそろそろ空腹が酷くなってきたなぁ〜…。……この狼弱ってるよね？

そろそろとペティナイフを取り出す私。

サエラ「そろそろお腹も空きましたし、今日のご飯は狼の肉ですね！」

サエラ「オオカミの毛皮は防具の素材としても優秀ですし、牙も装飾や剣の材料になりますし！弱ってる今がチャンスですよね！」

こっちに来てから初めてお肉にありつけるかも！お肉！素材！！

ルー「ちょ、ちょっと待つのじゃサエラよ！」

うぅ〜？ルージュさんが止めてくる、なんでだろう…？

ルー「我も普通のわんこじゃったらそうしておるが……このリボン付きは、どうも気になってのう」

サエラ「うん？何かあるんです、その狼？」

ん〜〜〜？あ、リボンしてるし、飼い狼の可能性があったかぁ〜。それなのかなぁ〜？

ルー「何となく、気になってのう。どうも捨て置けぬというか……」

ん〜、それじゃ仕方ないのかな〜。うぅ〜、お肉食べれるかと思ったのに〜！

サエラ「ん〜〜、そういうなら別の食糧を探したいですね」

空腹がそろそろヤバいのである！周りを見回してみると変なものが見えた。

サエラ「あ、あれは……」

サエラ「お肉ーーー！！！」

サエラ「お肉ですよ、お肉！」

お肉がそのまま動き回っている！！あれが、街でうわさに聞いた【逃げるおにく】という奴ですかね！？

サエラ「あ！待て！逃げるなーーー！！」

こちらに気付いたのか名前の通り逃げ出す奴ら！

逃がすもんですか！金槌引っ掴んで突撃をかける！

待ってなさいよーー！私のお昼ご飯ーーー！！