ENo.3014 ツー・ファン

LINK07　―　『　ひとりぼっちの舞台　』

登場人物：

■ツー・ファン：
　　COSMIC.Ltd　(コズミック・リミテッド)の代表リンカー。

■ホシノコ：
　　ツーの使用する、惑星作成用リンクス。

　　
地の文
■ピー・フイ：　
　COSMIC.Ltd　(コズミック・リミテッド)の社長で、ツーのプロデューサー。
　割と壮年。

　――――――――――

「練習しにいく」と言って、去って行ってしまったツーの様子が気になって、
俺は、サポート機から映し出される映像からツーの姿を探す。
このサポート機自体がホシノコ本体と機能的には繋がっているのだから、探すのは造作もない事だろう。
それでも、俺は映像の中にツーの姿が無いか確かめる。

…昔はツーのすぐ傍で仕事をしていたんだった。
探すような真似をした覚えがあまり無い。なんだかんだ文句を言いながらも、あいつはいつも俺の後ろに居たから。

通信だけで仕事を進めるようになったのは二、三年前からだったろうか。
俺もツーも互いに忙しいのもあって、実際に会うことはほぼ無かったと言っていい。
ツーの様子からすぐに察せれなかったのは、そのせいだったんだろうか。

程なくして映像にホシノコの姿が映った。
本人言うようにショーの練習をしているようで、音楽と重い駆動音を響かせてツーはホシノコを動かしている。

巨体が音楽に合わすように、軽やかに舞う姿は圧巻だ。
機体自体が舞うだけでない。立体ホログラムが飛び出したり等の
演出の為の様々なプログラムを同時に展開しつつ、自分も踊るという複雑なリンクス操作。
普通に行うショーならばある程度仕事を分配するのだが、このショーはそれら全てを一人で行う事になる。

ツーがこの難しいショーを受け持って、日も経験も浅い訳ではない。
画面に映ったツーの演技は、特にこれといった問題も無くスムーズに演技は続く。

…だが、この演技は…

　　『ツー』

「！　プ、プロデューサー！
な、何やってんですか　そっちの仕事は終わったんですか」

俺が見ていたことに気付かなかったのか、声をかけられたツーは驚いたような顔をしてからまた不機嫌そうな声を漏らす。
俺はそれを遮るようにツーへと問い詰めた。

　　『今の演技、どういうことだ？』

「！」

　　『まさかあれで全力じゃないだろう。
　　　何で手を抜く？　場所が違うからか？』

「…」

　　『舞台もショーで扱うリンクスも、いつもとは確かに違う。
　　　でもいつもよりも演出もリンクス操作も甘い。もっと演出も出来ただろう？　何でしない？
　　　ショー専用機ではないとは言っても、そこに甘んじるべきじゃない。
　　　このショーはリンカーの技術も見せ場なのは、お前だってもう分かってるだろう』

何も言わないツーへと、俺は問い詰め続ける。
畳み掛けるような風になってしまったが、言わないわけにはいかなかった。
ツーの演技をそれ程知らない奴には分からないかもしれないが、俺は違う。
ずっと昔からこいつの演技を見ていたんだ。手を抜いているなんてすぐ分かる。

この仕事が大事なものでもあるのも当然ある。そして、この仕事がツーのねぎらいのつもりだったのもある。
大人気ないとは思いながらも適当に扱われた納得のいかなさに、俺の声は思わず不満げになる。

　　『定例になっているとはいえ、大事なショーではあるんだ。
　　　手を抜いて良い訳じゃない、何で…』

「…〜〜〜っ　うるさいな！！」

　　『！』

「私は、「いつも通り」やってます！　ちゃんと、いつもやってるように！」

「スタッフだってこれで良いって言ってくれてる、評価はちゃんと得てるじゃないですか
下手に手出して失敗するよか、全然いいじゃないですかっ！！」

ツーの大声に俺は思わず言葉を失い…そこで間抜けな事にもようやく気付いた。
感じていた、ツーの様子の違和感に。

　　『………ツー　お前、　怖いのか？』

「！」

……きっと、こいつは不安なんだ。

環境も変わって、いつも周りでサポートしてくれるスタッフも少ない。
目の前で応援してくれるファンだって、今は見えない程の遠くの世界だ。
培った経験で補うにも、分野があまりにも違うリンクス。

ハードルは高いのにそれを超える為に必要な、過去に築いた自信に繋がるもの達は、
今はツーの傍には無い。自分に自信が持てなくなってるんだ。

どうして気付いてやれなかったんだ？
皆の負担になっているんじゃないかという不安要素は、やはり当たってしまったという事なんだろうか。
自分の意思ばかりを押し通して。何をやってんだ俺は。

　　『…新しい舞台に動揺する気持ちは分かる。
　　　だが、いつだって前に進まなければいけないんだ。
　　　不安でもたとえ失敗しても、お前にはスタッフがついてる。
　　　一人だけの舞台じゃないんだ、皆がフォローしてくれる。

　　　スタッフを信じろ。皆お前と一緒に舞台を作る為に、全力を尽くしてる。
　　　私も、一緒に――』

不甲斐無い自分を恥じながら、ツーへと言葉を掛けた。
不安だというなら、支えてやるのが俺の役目だ。そう思ったから。

…だが、俯いたまま黙っていたツーが、今度は俺の言葉を遮るように言い放つ。

「ばっかじゃないの」

「全力を尽くす？　スタッフを信じろ？
プログラムと機体が頼りないから私に負担がかかってるってのに？　何ですかそれ」

「ここに居もしない奴が、何わかったような事言ってんですか。
何甘いこと言ってんですか」

　　『ツー、それは、』

「わけわかんない綺麗ごとはもういいです！
大事なショーだってのは言われなくたって知ってます。
だから失敗なんて出来るわけない、落とすわけにはいかないんです」

そう言って、ツーはまた俺から離れるように歩き出してしまう。
引き留めなければとは思っていても、驚きが勝って咄嗟に声が出ない。

…とことん俺は馬鹿だった。
あいつ自身の自信が薄れてるだけじゃない。
俺への信頼も薄れていることに、ようやくここで気が付くなんて。

信用されていると、そう思い込んでいた。
だって、そう思っても仕方ないくらいには、あいつと随分長い事一緒に仕事をしてきたんだ。

何がいけなかったんだろうか。やっぱ傍に居なくなってから、何年も経ったのがいけなかったんだろうか。
何が原因だったにせよ、あいつは俺の事を信じてくれてない。　
支えようにも、元から信用されてないんじゃ意味がない。

悔しい。
悲しさだの怒りだのが沸くよりも何よりも動揺と悔しさが勝る。

違う、こんなつもりじゃなかった。このままなんて嫌だ。
俺はツーの背中へ焦るように、声を投げる。

　　『待ちなさい、ツー！　お前だってこんな手を抜いた舞台やりたくないだろ！？』

　　『俺はお前に満足のいく舞台をやって欲しいんだ！
　　　スタッフを信じろ！　俺の選んだスタッフを信じてくれ、ツー！！』

俺の叫びにツーが足を止めることも無く、その後も何度もツーを見かけるたびに声をかけたが、俺の言葉があいつに届いたかもわからないまま。
準備と日程は進んでいって。

…ついに、舞台の日になった。

　　*　　　*　　　*

　つづく！

ピニャコ(2594)の声が届いた：

ピニャコ「今週の旬は白菜（くわっ）そろそろ鍋の季節だよ〜（ぐつぐつ）」

クロノス(2797)の声が届いた：
クロノス「お(￣○￣)や(￣◇￣)す(￣o￣)み(。＿＿)。zzz...」

ラティア(2841)の声が届いた：
ラティア「妖精さん、勝負ー、ですっ」

しふぉん(2887)の声が届いた：
しふぉん「海とか陸とかかんけーないのかなあ。」

シセ(2904)の声が届いた：
シセ「地図のこっち側は強いね！みんなも頑張って！」

　　　「あっ！あと魔石作れます！（ＬＶ12）　伝言よろしく！」

ミシェル(1)の声が届いた：
ミシェル「さて、勝てたかな…。」

さや(23)の声が届いた：
さや「相変わらずコミュの募集してるよー。」

ピアノ(58)の声が届いた：
ピアノ「いつまでたっても楽になりませんわねー…」

れんげ(137)の声が届いた：
れんげ「武器枠、更新当日までは予約を伝言で受け付けるよ。処理優先度は基本的に「身内→予約→木漏れ日→予約なしの突撃伝言」だから、そこだけ注意してねっ」

アイラ(153)の声が届いた：
「……正直今進んだところでなー。」

シズク(195)の声が届いた：
シズク「装飾と合成を請け負うぞ。木漏れ日に出すまでは、伝言にて頼む」

ハート(266)の声が届いた：
ハート「こんばんはー！」

アレウス(343)の声が届いた：
アレウス「おお…はむもふもふだった…
あ、武器枠料理枠、そーんな高くねえけど空いてるが誰か使ってくれんなら伝言宜しく！」

テオ(348)の声が届いた：
テオ「装飾あいてると思うよ。ぜひぜひどうぞ。」

セロ(449)の声が届いた：
セロ「手が空きそうだと分かったら木漏れ日さんに顔を出すよ。
叩撃と斬撃なら、多少はマシなものが出来るんじゃないかな」

メイ(615)の声が届いた：
メイ「装飾Lv16？作らせてー！伝言か木漏れ日でねっ！」

玖珂津(681)の声が届いた：
玖珂津「時間に余裕あったら魔石作りまっせ、その際は伝言でお願いするわな」

みどら(834)の声が届いた：
ぎゃおー！
（通訳：ふかわく　あまってます！）

朱音(865)の声が届いた：
朱音「付加のご依頼募集中だよー。必要だったら、伝言で声をかけてねー」

ニーネ(947)の声が届いた：
ニーネ「…………」

虫な二人組(969)の声が届いた：
田置君「…やっぱ、こっちの方が、つえーのがいるみてーだなー」
播賀さん「気をつけてかないとねー…」

ヒメ(1162)の声が届いた：
ヒメ「もうすぐ街かしら・・・？」

マドカ(1347)の声が届いた：
マドカ「間もなくペットショップを開店する予定です。御用の方はお声をかけてください。」

香玉と日傘(1363)の声が届いた：
ホヅキ「寒くなってきたなあ…」
シュノーン「風が冷たいね」

かえで(1389)の声が届いた：
かえで「武器Lv16枠いかが〜？木漏れ日に売りに行きますー」

ウィー(1456)の声が届いた：
ウィー「合成枠開放中。御用の方は木漏れ日までどうぞ」

クアル(1543)の声が届いた：
クアル「装飾が作れるのじゃー」

フィーナ(1626)の声が届いた：
フィーナ「うわあああ！！？パンダさんつよぉ！」
フィーナ「モフモフのしすぎでツケが回ったんだ。油断したー！」

内藤(1629)の声が届いた：
内藤「あいつの嘘彼女、最近声優デビューしたらしいぜｗｗｗ
うはｗｗｗミスｗｗｗｗｗ」

断末魔が似合う男(1756)の声が届いた：
断末魔が似合う男「マンモスやべええｗｗｗｗｗ死んだｗｗｗｗ勝ち鬨…もとい断末魔あげろｗｗｗ」

スズネ(1846)の声が届いた：
スズネ「枠がある限り武器はひたすら鍛えるつもり……どこまで磨けるか楽しみ。」

ピザ子(2113)の声が届いた：

（セルフォリーフの上空からピザを焼く香り……）

アリスシア(2116)の声が届いた：
アリスシア「ニャングムフー」

キヅキ(2142)の声が届いた：

　　　　　　　　　　「お久しぶりね」と、冬が咲く。

ホリィ(2165)の声が届いた：
ホリィ「付加レベル14、もしかしたら15受け付けます…伝言でお気軽にどうぞ」

エナ(2442)の声が届いた：
エナ「あのもふもふの毛皮は愛らしい見た目で相手の攻撃意欲を減退する心理的効果があるようですね」
エナ「つまりもふもふの毛皮を利用した新型装甲を開発すれば相手の戦意を殺げる・・・？」
エナ「それはさておき、防具生産をすみかで承っております、ご入用の方はよろしければご利用ください」

楓(2457)の声が届いた：
楓「いあいあはすたぁ」

ホリディ(2524)の声が届いた：
ホリディ「syosiki！」