ENo.2354 ソニア・スパルタクス

※Eno.401　ラ・フィーリィル＝クルスさんをお借りしています！！
※※全体的に百合百合でかなーりエロスな雰囲気です！！　苦手な人は回避してください！！
※※※PL両者での基本的な同意がなされての内容となっています！！

あまりに盛り上がりすぎた『朝食』のせいで、ソニアとフィリィは風呂に入らざるを得ないハメになっていた。
二人は浴場へと向かった。

風呂場は、かなり広かった。
見事な大理石で一面が張られ、数十人は入れそうな、大きな浴槽が鎮座している。
豪奢なライオンの彫刻からは、こんこんと湯が湧き出てきていて、浴槽を満たしていた。

「ふふっ、貸し切り状態じゃな！！」

フィリィは、腰に手を当てて、胸を張りながら声を上げる。
ソニアは、そんなフィリィを横目でちらちらと見ながらおずおずと後ろに付き従っている。

「なんじゃ、ソニア。折角の湯浴みじゃ。楽しまぬと損じゃぞ？」

「は、はい……」

フィリィがソニアの方を振り向けば、ソニアは恥ずかしげに目線を伏せる。
しかし、盗み見るようにちらちらとフィリィの身体へ視線を送るあたり、因果なものであると言えた。

「まったく、あれだけのことをしておきながら、なかなか慣れぬのぅ。……まぁ、そういうところも可愛いのじゃが♪」

「あぅ……」

からかうような口調でフィリィに言われれば、ソニアは言葉を返すことができずに押し黙った。

「ういヤツじゃのぅ、ソニアは。良い良い、それもまた個性じゃ。
　『躾』が必要な部分はその時々でたっぷりと躾てやる故、首を長くして待っておるがよいぞ」

「……かしこまりました」

ソニアは絞り出すように声を上げると、フィリィの背中に付き従って浴場内を進んでいく。

ソニアとフィリィは、石鹸やシャンプーなどが置かれた場所に辿り着くと、フィリィはそのまま風呂いすに腰掛けた。

「では、髪の方から頼むぞ」

「かしこまりました」

少し落ち着いてきたのか、フィリィの言葉に対するソニアの返事は普段のそれとそこまで変わりはなかった。

掌にシャンプーの薬液を取り、掌同士を擦り合わせて泡立てていく。
軽く泡立ったところで、フィリィの髪にそれを塗布していく。

フィリィの髪は、手入れされているだけあって、柔らかだ。
綺麗な青紫の長髪を、労るように優しく撫で洗っていく。
髪先まで、しっかりと泡で撫で洗っていきながら、馴染ませるように髪全体を揉みほぐす。

「お加減は、いかがですか……？」

「うむ、上々じゃ……♪　毛先から根本までしっかり丁寧に洗髪するんじゃぞー♪」

「かしこまりました」

フィリィの指示通り、ソニアは丁寧に洗髪をし続けた。
湯をかけて丁寧にシャンプーを落として、ヘアコンディショナーをしっかり付けて、保湿まで終えたところで再度湯でそれらを洗い流す。

「それでは、続いてお体を。……失礼します」

そう言って、ソニアがスポンジを手に取った時、フィリィがそれを見咎めた。

「これ、ソニア。ご主人様の身体を洗う時は、ちゃんと自分の手ずから直接に決まっておろう？」

「えっ……！？　い、いや、そ、それは……！！」

フィリィの言葉に、ようやく平静を取り戻していたソニアの心がいきなり掻き回される。
声が裏返り、行うであろう行動に顔が茹で蛸のように真っ赤になる。

「わ、私の手は、その、柔らかくありませんし……、その……」

「これ、ソニア。主人の言うことが聞けぬのかえ？
　わらわは、手ずから身体を洗え、と申したのじゃがのぅ」

背を向けたまま、きっぱりと言い放つフィリィに対して、ソニアは大きく溜息を放つ。
覚悟を決めたのだ。

「それでは……、失礼します」

掌で入念に石鹸を泡立てて、そっとフィリィの肩あたりに手を触れさせる。
浴場にあって、しっとりと湿った潤いのある肌の質感は、嫌がおうにもソニアの掌を通じて、ソニアの思考を『刺激』する。

白磁のように透き通った肌は、触り心地もまた極上で、ソニアの心をとろけさせる。

肩から、背中へ。
背中一面を終えたら、腕へ。
腕先まで終えたら、腰へ。

そして、腰を終えたところで、ソニアは手を止める。

「どうしたのじゃ、ソニア。そんな途中で止めるのでは困ってしまうのぅ」

「う……、あ……、はい……」

声にならない声を上げ、ソニアは逡巡する。

勿論、ソニアにとって、フィリィの言葉はこの上なく嬉しいことだった。
己の身を自分に任せてくれる。預けてくれる。
そんな喜びは、何事にも代え難いものだ。
そして、深く濃密な『愛』をくれる情け深い主人に応えるということは、ソニアにとって至上命題と言っても差し支えない。

ソニアが怖れていることは、至極単純なことだった。

──自分が、抑えられなくなる……

ソニアの身体には、溢れんばかりの情念がその全身を巡り、まるでのたうつ大蛇の如く這いずっていた。

目の前の、最高に愛おしい主人。

その存在を、自分の劣情で汚してしまいかねない。

その事実一点に、ソニアは恐れを抱いていた。

忍耐の限界は、理性の決壊を招き、
理性の決壊は、止めどなき獣の如き肉欲を呼び起こす。
そして、ソレは目の前の主人を『喰らう』まで止まりはしないだろう。

もし、この人だったら、受け止めてくれるかもしれない。

そう思う心もある。
以前、島で初めて出会い、仲を育み、そして初めて肌を重ねた時のように。

きっと、この度量広き主人は、この卑しい女を受け止めてくれるだろう。

……でも。

「怖い、のです……」

呟くように、ソニアの口から言葉が漏れる。

哀しそうな、寂しそうな、それでいて物欲しそうな、複雑な表情を浮かべて、ソニアは主人の背に抱き付いた。

「良いぞ。ソニア」

凛とした、いつもと変わらぬ主人の言葉に、ソニアは顔を上げる。

「良いぞ、ソニア。わらわは『構わぬ』。既にソニアはわらわのモノじゃ。
　故に、わらわにはソニアを『受け止める』義務がある。それが道理じゃろ？」

いつも通りの、言葉。

それが、ソニアの心に染みていく。

そして、フィリィの言葉が染みた心から、湧いてくるモノ。

それは……、喜悦。

「勿体なき、お言葉です……」

「何を言うておる、ソニアはわらわの可愛いメイドじゃぞ。労るのも主人の務めじゃ」

当然じゃろう、と呟きながら優しく笑うフィリィは、顔を後ろに向けると、そのままソニアにキスをする。

湯が流れ込む水音の中に、艶めかしい『水音』が混じる。
艶やかな吐息が漏れ、二人は何度も唇を重ねていく。

「……どうじゃ、落ち着いたかの？」

「……はい。申し訳ございませんでした」

フィリィの声に、ソニアは深々と頭を下げる。
それに対して、何でもないように手をしっしっと振って、フィリィは再び背を向ける。

「それでは……。再度……、失礼、いたします……」

そう言って、ソニアは抱き付くように腕を腋下から回すようにして、そのままフィリィの背中に自分の双丘を押しつける。
その感触に、フィリィは思わず笑みを強める。

「ほぉー、よくわかっておるのぅ、ソニアよ♪」

「……ご主人様の意を介してこその、良き従者だと愚考します故」

「うむ。良い心がけじゃのっ♪」

背中に密着した感触を楽しみながら、右手を後ろに回して、ソニアの髪の毛を撫でてやる。
それを感じながら、ソニアは自らの身体を用いて泡をさらにフィリィの背中に広げていく。
同時に、自分の掌でフィリィの身体前面に泡を広げていく。
豊かな双丘を優しく包むように手を這わせ、谷間にも根本にも、隅々まで洗い清める。
その手付きは、ゆっくりとしていて、かつ、優しいものだ。

「んっ……♪」

フィリィの身体がピクンと跳ねた。
その身体の反応を背中越しに感じながら、ソニアの指はフィリィの胸で蠢いている。
丹念に、丁寧すぎるほどに揉みほぐすように撫で洗いしていく。

「んっ……。その調子で、しっかり頼むぞ、ソニア……♪」

「はい……、かしこまりました。ご主人様……」

ソニアは、フィリィの耳たぶを甘噛みしながら、囁くようにして答えた。

──To Be Continued……？