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世界共通!
No.231 本
文箭


本を読むのが好き!
本を蒐集するのが好き!
本を学問的に見るのが好き!
装丁や形が好き!
本というものが、とにかく大好き!

以上に一つでも当てはまったならば、是非ご参加下さい。
当コミュニティーでは、本が好きな方を募集しております。
本のみならず、書物全般(巻物や帖のもの)、また非書物(手紙、古筆切、他)なども範囲に含みます。

条件に当てはまれば、PL、キャラクター問いません。お気軽にお越し下さい。


主張用ではありますが、たまにコミュ主が呟くこともあります。
他にも、オススメの本や書物に捧げる熱い思いなどなど、交流の場として活用して頂ければ幸いです。



コミュニティメッセージ


文箭(231)からのメッセージ:
文箭「>バニー&ラスティさん 寿岳文章という人物は、辞書・事典について次のように述べています。
『その人の専門や興味がどんな方角をさしていようと、ことばが表現の手段である限り、人は時を場合とに応じ、ことばの意味を辞書によってたしかめなければならない必要に迫られる。だから書物のあるところ、必ず辞書があるといってよい』
この方は辞書類を500冊以上所有しておられました。また、辞書は引くためだけでなく、読むためにもある――と。
『辞書には、政治家や説教師によく見かける偽善的なことばづかいがなく、エスマンは辞書を引くよりはむしろ読むことを楽しみとした。私はエスマンに賛成である』」

文箭「寿岳博士は辞書の解説を読み、まるで詩を読むようだと愉しんだそうです。ところで今現在、インターネットや電子辞書に場所を奪われると指摘されていますが、それは『特定の調べ物をしたい』時に限りますし、前者のものにおいては正確性を疑わなければなりません。
また後者においても、すぐに目的に到達してしまう事から、人間はすぐ索引できるという怠惰に甘えて、目的を記憶する事を放棄してしまうのですよ」

文箭「>玄深さん 黒は、あなたの御名前にも通ずるところがありますね。歴史あるものは、それだけ人々が考えを凝らして哲学するものです。故に、多くの話が生まれてくるのでしょう。墨はさておいて黒の話だけをすれば――君を前に言う事でもありませんが、日本には“黒不浄”という概念があります。この黒の示すところは何かといいますと、“死”です。葬儀から帰ってきた者に塩をかけてケガレを落とすのは、黒不浄を忌み嫌うが為にあるのですよ」

文箭「>ミコトさん 飲墨の話は、文字通りブラックジョークですよね。墨を一升飲むなどできもしない……つまり、字が上手くなるなんて無理な事だと哂われているも同然です。好意的にみれば、墨を一升飲むほど字を書けば上手くなる、と言っているのかもしれませんが。しかし、飲墨に共通するのは“一升”なんですよね」
文箭「ところで、誤字脱字の全く無い本を作る事は、出版業者にしても著作者にしても夢であるという話を聞いた事があります。僕もよく誤字脱字、文字の配列ミスなどを見かけて、難解な語と勘違いする事がありますよ……」

文箭「>いんちゃん どうでしょうね、その辺りの検証はしていません。
墨を無闇に使う輩が昨今増えているのは事実です。確かに、仮名筆や雀頭筆などでない限りは、墨は筆の根元まで含ませるのが普通なのですが――墨池に不必要なまでに墨を注ぎ、下品にべちゃべちゃとやり散らかすのは感心しないですね」

文箭「あまり急いて書くと、それだけ墨が散る事もあります。書道は精神鍛錬にも繋がりますから、墨色の衣を着ているのでない限りは、ゆっくりと書くと良いかと思われます。もっとも、プロでも服に墨をつける事は、稀にありますよ」
文箭「>メリルさん どなたかと思えば、君でしたか!てっきり今回はいらっしゃらないのかと思っていました。どうでも良いですが、草葉の陰ってそれ死んでるじゃないですか」

文箭「今回は発言枠の関係から、返信を最初に持って来させて頂きました」

文箭「『次回はパピルスから紙の誕生まで』と予告しましたが――改めて考えてみれば、どうにも発言枠が足りない気がします。パピルス、羊皮紙辺りは、概略をおさらいするだけでも結構なボリュームなんですよね。いけるとこまで、という事になります」

文箭「パピルスというのは、エジプトのナイル川のほとりで興りました。そこには背の高い水草が生えており、エジプト人はその“ずい”で紙のようなものを作り出しました。紙の事を英語で“Paper”といいますが、語源はパピルスからきているそうです。パピルス自体は、ギリシア人がビブロス港から輸入した名前の分からぬ紙を、はじめ、「ビブロスからきたもの」と呼んでいたのが、次第に訛って「パピルス」となったそうです」

文箭「余談ですが、文明というのは、大きな川のほとりで興るそうですよ。ナイル川然り、黄河・長江然り」
文箭「さて。では、どうやってパピルスは作られたのか?先程も申しましたようにパピルスの原料は水草です。水草というと藻のように思われますが、実際はカヤツリグサに似たようなものだそうです。人間の手首ほどある茎を長いままで刈り取り、外皮を剥いで中のずいをナイフで薄く裂き、縦横に重ねます。その上にナイル川の粘土質な水を注ぎ、上から圧力をかけ、二枚のものを一枚にして乾かしました。それから象牙や貝や軽石といったもので表面を磨き、面を滑らかにして書写材料にしました。今日においても、押印の前に丸い石などで紙の表面を滑らかにする作業は行われます。しかし、どんなに磨き上げても、パピルスの表面は毛羽立っていたそうです」

文箭「“ずい”の中心部で作られたものが、最上質のパピルスでした。これは「聖なる紙」として、宗教の本に用いられました。ローマ人は国王アウグストゥスの栄誉になぞらえて「アウグストゥスの紙」と呼び、第二級紙は皇后リーヴィアから「リーヴィアの紙」と呼んだそうです。それ以外、外皮に近い下級品は「商人の紙」といって、包装紙などに用いられました」
文箭「最上の紙工場は、エジプトのアレクサンドリア市にありまして、そこで作られたパピルスは「アレクサンドリアの紙」の名で、エジプト国内のみならず諸国に輸出されたという事です」
文箭「パピルスにはメランというインクを用いて書写しました。これは油煙に水とアラビアゴムを加えたもので、ペンは――少し前に、パークスさんが仰っていたような、葦ペンを用いました。これは鉛筆くらいの長さに切り取って、先を細くした上で噛み砕き、繊維を柔らかくして使いました」

文箭「インクは海面で簡単に消す事ができたので、パピルスは何度も使う事ができたんですよ。エジプト人は、何かを憶えなければならぬ時、パピルス紙に書いた文字を海面で消して、その水を飲んだそうです。先日御話した、飲墨に通ずるものを感じますね」
文箭「しかしやがて、パピルスはパーチメント――羊皮紙にその座を奪われる事となります。羊皮紙は名の通り、羊の皮で作ったものです。他にも、子牛の皮で作ったヴェラムというものもありました。羊皮紙は羊の皮でできているだけあって、強くて耐久性があり、破れる心配がありませんでした。「彩飾書写本」という装飾書写本を作るのに、最も適していたものです。一見すると、現代の紙に勝るようですが、デメリットはありました。これは獣の皮をわざわざ剥いで作るものだったので、制作費が高くついたのです。結果として、書物は一般市民の手の届かないものになりました」

文箭「皆さんは“鎖つきの本”というのを御存知でしょうか?十六〜十七世紀頃の西洋の図書館において、本を鎖で書架に繋ぎ止めて、『ここで読むのは構わないが持ち出しはならない』とした本達の事をいいます。何故そのような酷い仕打ちを本にしたかというと、盗難防止の為なのですが――それだけ書物は高かったのです。英国の某所では、今でもこうした鎖つきの本を見られる事ができるそうです。僕は、本を首輪で繋ぎとめるような非道を、個人的にあまり好みません。まるで奴隷か罪人のようではありませんか」

文箭「少し横道に逸れた挙句、私情を挿んでしまいましたね。すみません」
文箭「羊皮紙がどのように生まれたかは、色々と経緯があるのですが、ここではとある事情として省略させて頂きます。とある事情により、エジプトからペルガモンへパピルス紙の輸出が禁止されました。ペルガモンではパピルスに代わるものとして、イオニア市の獣皮にヒントを得て、羊皮紙を作り出したのです。そうそう、パーチメントという名前の由来ですが、これはペルガモンの地名です」

文箭「作り方は、羊の皮を石灰水につけ、外側の毛と内側の肉を削ぎ取って、石灰と軽石で滑らかになるよう磨きます。そしてそれにチョークを塗って仕上げました。インクの吸収が良くて虫に食われなかったので、長期間の保存に適しました。そうした性能の良さから、四世紀頃にはパピルスより羊皮紙が主流になりまして……十三〜四世紀に中国から紙が伝来するまで、羊皮紙が長い間その座を我が物としていたのです」

文箭「ところで、羊皮紙の時代――中世というのはあまり良い時代ではなく……。学芸の道は衰えて本の需要も少なく、僧院内でわずかに学問が受け継がれていただけだといいます。ギリシア人のソクラテスは、ある人からどうして書物を書かないのかと問われ、次のように答えたそうです。『尊い知識を、生きた人間の頭脳から、死んだ獣の皮の上にうつすのが嫌だからだ』と」

文箭「さて、問題の“紙”は、いつ出現したのでしょうか。これは中国の『後漢書』によると、105年に蔡倫という者が樹皮・麻のくず・ボロ他を原料として、紙を作ったのが最初であるとされています。しかし、紙はこれ以前には既に興っていたことがみとめられます。我が国に製紙法が伝わったのは、以前御話しした事があると思いますが――推古天皇の時代、610年の事でした」
文箭「そういうわけで、簡単ではありますが、紙の歴史に触れました。次回は……少し、内容を考えますね。紙以外の書写物を紹介するか、日本の紙について紹介するか、余裕があればどちらにも触れられたらと思います」

バニー&ラスティ(1132)からのメッセージ:
PL「緊張かぁ… 緊張してるっていう自覚はないかなぁ。むしろ気を抜きすぎじゃねえのってよく言われるんだ(…)でもまぁ、寝ていればだいたい治りますので!きっと問題ないです!」

PL「それにしても、紙もいろいろ種類があるんですねぇ。和紙と普通(?)の紙、とかくらいしかわからなかったな…。勉強になります。」

ミコト(1619)からのメッセージ:
ミコト「紙の誕生は、何かを記すことにおいて最も難しく偉大な一段階ですね!?
さわり心地がよいと嬉しくなりますし、めくった時の匂い…これは主にインクでしょうけど、本の新しさ、または古さを感じさせて、本とは五感で楽しむものー!と思うのです、えぇ。
お詳しさは愛されるゆえですね…!(応援しつつ、お話拝聴!)」

わらわら〜ず(1970)からのメッセージ:
いんちゃん「鳥の子? ぼくらみたい? 何で鳥の子って言うのですか?
雁皮を使うからです?」

いんちゃん「金物に刻むから、かくかくしてる文字なのかな?」




コミュニティ参加者


 ENo.59 此花サクヤ月 葵
 ENo.164 白鷺花子ビセツ
 ENo.191 仮面童子フミ
 ENo.231 文箭句外
 ENo.311 リオーネ=デュカス有柄莉衣
 ENo.317 フィリーディス・K・ウェーハスハール霜月司
 ENo.405 烏丸ネヴァン古川
 ENo.518 ノア・S・ノルデンショルドZ・Zeman
 ENo.619 24式ルクファリ単騎遠征試験機運用斑Crymson
 ENo.687 ルーミリア・リィス立花 唯
 ENo.695 ルナリア=ルーチェはるち
 ENo.817 ヴェスティアHAL
 ENo.882 ナクシディル・ライラmagnolia
 ENo.899 ウチモさんソン
 ENo.968 佐倉 吉野/大山968.
 ENo.1111  
 ENo.1132 兎と竜栗原翡翠
 ENo.1141 黒兎栗原翡翠
 ENo.1222 エン=シルティニアシフネ
 ENo.1250 シロネコカゲツ
 ENo.1253 風郷・風璃rkm_stn
 ENo.1288 ヘーゼル=フラペチーノさえき
 ENo.1294 源 玄深kM-r
 ENo.1303 セレスタイト・A・M・リスティスふるむーん
 ENo.1541 ルニック・トリネコイ杜に在る鉱石
 ENo.1595 シュレディンガーの猫Eins
 ENo.1619 比売巫女等新々
 ENo.1660 ヨークシュリンゲン=ファイデA.T.
 ENo.1673 ユベールこち
 ENo.1708 高橋 信一郎レナーテ
 ENo.1784 スコッチ・ブライトkikunojyo
 ENo.1884 ヤマダヤマダヤマーダかーな
 ENo.1970 白鳥 杏紅葉屋
 ENo.1986 パークス・P21・3Q77X94_RNG
 ENo.1996 イェル・V・ハルトマンDさん
 ENo.2003 アレイリィン・ノッサフれのこ
 ENo.2026 ケーニッヒ=アイゼンハウゼシノ
 ENo.2034 スチュアート・ノット雨酒
 ENo.2126 バロンケイス正井
 ENo.2195 黒心 幽見れいん
 ENo.2686 アルファルドリオ
 ENo.2736 ミハイル・レニングラード きつね仮面
 ENo.2899 ジェームズ・C・M・ゲーティアことぶき
 ENo.2914 メリル・ライトねぎゅぅぅぅぅ
 ENo.2967 レフクロカシ
 ENo.3007 キルシッカ・ヴェシトゥーリようかん
 ENo.3241 定桐 右水来人(改β)
 ENo.3320 柊 三十朗さかさ猫
参加者 計 48