ENo.380 ディルティルス

闇属性の魔竜クロウクルーウァッハとの契約を持つ召喚師。通り名はデルタ。

クロウとの契約により常にその身に闇の元素が流入しているため、元の明るいブラウンヘアとゴールドアイは、シルバーブルーとグレイシルバーに変化。本人はこの変化を未だに気にしている。
髪が長いこととその物腰から、女性と間違えられることもしばしば。いつしか筋肉質男による怪しげなファンクラブができていたとかいないとか…。

クロウとは因縁の仲だが、今ではボケ・ツッコミ漫才ができるほどまで和解（？）している。因みに全身召喚は疲れるため、デルタは爪や牙を部分的に召喚する。

召喚術では世の中生きていけないので、攻撃魔法もそれなりに使う。但し、クロウの魔力を主に使っているため、闇属性の術が多い。

クロウの他に、夢魔ナイトメア、闇精ミアンヌ、風精シルフィードと契約している。人前では姿を隠していることが多いが、呼び掛ければ話ができる。因みに、召喚獣との会話は、漫才化する傾向にある。

物理攻撃力のある召喚獣を呼べというクロウ等の要請から、召喚の儀を行ったところ人狼の戦士ガウが現れた――

「――だそうだ、クロウ」
「どこが漫才なのか、興味深いな」
「そうですねぇ…」
「闇属性の召喚獣は、ひねくれものが多いから、といったところでしょうか」
「失敬な、私のどこがひねくれていると！」
「隙あらば契約者（デルタ）の不幸を願うような発言をするところ」
「ふんっ実際に願っております故、本心が出たのでしょう！」
「――ついに開き直ったか、変態紳士」
「黙れ、貴様に言われる筋合いはない、黒爪！」
「変態といえば…クロウも私の心を覗いて、よく――」
「貴様の方が変態ではないか！」
「我は契約主の意向を汲み取るため、この契約形態を利用して主の心を読み取っているにすぎん。…変態紳士のような、趣味を目的としているわけではない」
「……それはつまり…、確信犯か否かの問題だと？」
「そうだ」
「それなら私も、悪夢という性質上、契約者の心が見えるのは仕方がないというもの…」
「――どうだかな」
「何を！」
口争うクロウとナイトメア。デルタは遠い眼差しで、ふと思う。
『…まったくえらい奴らと契約をしてしまったな』
「聴こえているぞ、デルタ」
「聴こえてますぞ！」
「――ぐは」
意気投合した連携技に、デルタはテーブルに突っ伏した。

召喚獣個別プロフ
＊魔竜クロウ（クロウクルーウァッハ）＊
通称クロウ、たまにクロちゃん。本質が闇のため、実体化するには魔力が必要となる。召喚師であるデルタには竜の姿に見える。
その金色に輝く双眸はすべてを見つめ、吐く息はすべての生命の灯火を吹き消すと言われる。同胞からは”黒爪”と呼ばれる。

＊夢魔ナイトメア＊
ナイトメア＝悪夢。クロウと同じく本質が闇。魔力を使って実体化すると紳士の姿を好んでとる。皮肉家。物理攻撃はまるでダメだが、魔力は強大。そのため魔王と呼ばれることも。人の心を糧とするため、心情の変化に敏感。同胞からは”（変態）紳士”と呼ばれる。