ENo.220 ギタクシアス＝B＝ブラウ

16歳。腰まで伸ばした蒼髪が目を引く。
魔術師然としたゆったりとした衣装。手には木で出来た杖を持つ。略称シス。またはシア。

14歳までの彼女はとある世界のとある村で母・父・弟と平和に暮らしていた。
この時、習い事として魔術の修練を積んでいる。その中でも幻術の才能は目を見張るものがあった。
だが、村は15歳の時に盗賊団により壊滅。彼女一人命からがら逃げ出すことに成功する。
彼女は何も守れなかった自分の無力さを嘆き、復讐を誓う。
その後、力を得るためにとある組織へ所属。末端の兵士が受ける精神操作を幻術でやり過ごす。
忠実な人形を演じ、組織の魔術書・戦術書を読み漁った。
組織に所属して1年が経過したある日、任務によりとある少年とコンビを組み敵対組織の重要人物の暗殺へと向かう。
しかし、少年の単純なミスにより失敗。
死を恐れた彼女は、少年を引っ張り逃亡。
そのまま組織との連絡を絶ち、組織から追われる身分となる。

精神操作による強靭な精神力を持たない彼女は追っ手との戦闘を経験しないにも関わらず徐々に逃亡生活に疲弊していく。
そうして初めて追っ手に追い付かれたときには、彼女は全く動けなかった。
しかし、その際に黒髪の男を頭領とした一行が通り掛かる。
男の気まぐれによる一助で、その場を生き延びる。
その後、成り行きで彼らと行動を共にする事となる。
しかし、その後も度重なる襲撃を受け、その度に一行に助けられる。
無力さと迷惑を掛ける心痛に彼女はこの場所を離れることを少年に提案。
頭目の男よりこの世界を出ることの出来る次元の門の存在を聞いた２人は礼を告げ、再び２人で放浪を続けることとなる。
追っ手を何とか退けつつ次元の門にたどり着いたが、そこでの最後の追撃により門が強制起動。少年に先に行けと門へとねじ込まれる。

降り立った世界は、元いた世界よりも深刻だった。

冷静沈着な性格。凄惨な経験、自らの無力を知っている事、戦術書から得た知識により、決して熱くならず、どんな物事も冷めた目で見る少女。
しかしあくまでそれは信用出来ない外部から自らを守る為の盾であり、本来は年齢相応の、少し天然気味の少女。
どれだけ冷静な仮面を被っていても生来の性格は隠しきれないせいか、策謀を巡らす時にも何処か抜けていたり、想定外の事態が起こった時にはその性格の一端を垣間見れる。
また、初対面の相手には嘘を付く癖がある。但しそれはどうでも良いレベルの嘘であり、彼女のなかではユーモアレベルのものらしい。
魔術の才能には恵まれており、その中でも幻術に特化している。相手を幻術で惑わし、罠を仕掛ける時間を稼いだり、罠のある位置に誘導したりと言った混合戦術で戦う。
その戦術の関係上、指揮官に非常に向いている上にそれ相応の能力・戦術眼を持ち合わせているが、未熟な自身に自信が無いために戦術に齟齬が出る可能性が高いと、組織での指揮官役を固辞し続けていた。