ENo.350 カガチ

【カガチのアンジニティグルメリポート】

　今回の食材は全回に引き続きヤドカリ…と、ウミネコだ。
まぁわざわざ言うでもないが、相変わらずデカい。一匹で余裕で１０人分の食糧はまかなえそうな感じだ。

　…戦闘を終えるなり、きりが箸を持って座り込む。
おい待て、まだ捌いてもいないのにいささか気が早すぎるんじゃないか？
それはさておき、今回の調理法は…　…まぁ、まずは生だな、アスに調理器具でも借りればいいんだろうが、ささやかな拘りだ。
他の二人ももう慣れたのか、特に何を言う様子もなさそうだ。
ああ、まったくいい仲間を持ったものだな、うん。　…うん。
少しくらい心配してくれると嬉しかったりもするんだけどな。

　動かなくなった大海猫の一匹を掴み、その羽を片っ端からむしっていく。
しかし、このサイズだとなかなかの手間なので、有る程度まで毟ってあとは皮の隙間にナイフを入れてごっそり剥ぐことにした。
まぁ、鳥皮を食べる分は確保したし、個人的にあんまり皮は好きじゃないし…。

　サイズの割りに身には弾力があって非常に美味しそうだ。…今まで大部分が虫だの何だのだったので、肉らしい肉にありついたのは久々かもしれない。
羽を取ったあとは胸を開き内臓を取り出し、丁度海の近くだったので海水で洗う。
どうせ内蔵を捨てるのならば、海に投げて魚の餌にでもしておこう。有効活用とは言いがたいけどな。
…釣竿でもあれば、これで何かしら釣れたのかもしれないが生憎手元には無い。

　あとは適当にナイフで切り分け、一口サイズにする。
大海猫の刺身、とでも言えば聞こえはいいが、単なる肉片といえばそれで終わりそうな見た目だ。
どこぞでは「鶏刺し」と称して鶏の刺身を食べるらしいが、そこでは表面を炙って薬味で味付けをするらしい。
まぁ、衛生上当然といえば当然だろうが…　…ま、そこで折れたらわざわざこうやって手記に残す意味も薄いだろう。
と、いうことで　その生の肉片を口に含む。
……血なまぐさい。変に弾力があって筋繊維や筋が歯の隙間に挟まる。
海水の塩味がアクセントに…いや、ちょっと厳しい。
まぁ調理済みのモノに慣れた味覚で食べればこうなることはわかっていたが…　…生食には向かないな。　

続いて、先人に習い、アスに借りたマッチで火を起こし、切り身の表面を炙る。
続いて、これもまたアスに借りた調味料で下味を付ける。そして食す。
……　…まぁ、なかなかイケないこともない。
今手元にある調味料でできる範囲としてはなかなか上位に入りそうな感じだ。

………しかし、やっぱり調理はアスに任せたほうが確実ではある。
なので、きりとアスの分は作ってもらうことにしよう。
そのほうが衛生的にもよさそうだ。

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追記：そんなことやってたらはぐれた。次の敵は大タコらしい。