ENo.2070 ルフィ・ラディザーム

『ア・スペント』という呪われた大剣を振るい、その業を一身に受けることとなった少女。

指折りの貴族の出であり、相続権はないものの何不自由なく育てられた箱入り娘。
その為か世間ずれしている部分があり、当初はお金の使い方も知らなかった。
この剣の担い手となる前はもうちょっと長い名前だったらしく、
ラディザームという姓は彼女の役割に冠された名称とのこと。

剣の『悲しみ』を祓う道中、
ふとした衝撃で『存在のブラックホール』として機能してしまう大剣に引き摺られるように
様々な世界を転々としている。
アンジニティを訪れたのは偶然か、それとも業故の必然か。

心根の優しい、淑女を絵に描いたような人物でやわらかな微笑みが特徴。
『ア・スペント』との共存により、次第に荒事に対する抵抗がなくなっている自身に
戸惑うことはあるものの、目的の為仕方のない事だと割り切って考えている。

剣の影響はやはり実際に使用する時ほど出やすいのか、
笑顔でちょっと怖いことを言ったりもする。気をつけよう。

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彼女の振るう漆黒の大剣『ア・スペント』。
元はかつて、二つの戦争に終止符を打ったギロチンの刃であり、
およそ一世紀続いた戦乱の時代を語る上でまず口頭に挙がる、代表的な都市伝説の一つとされる。

後に『鉄の世紀』と呼ばれるその時代。
現在『ア・スペント』と呼ばれているその鉄塊はこの頃、
八振りの剣の姿をしていた。

曰く、ある王家の姫君が人身御供されて作られた魔剣。
ある時は大国を滅ぼす為その余りある力を振るい、ある時は小国を根絶やしにする為力を振るった。
剣と剣は互いに傷つけあい、やがて自滅の道を辿ることとなる。

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形を変え、時代を超えて、幾千幾万もの人命を刈り取ってきたこの大剣は
そのあらゆる怨嗟を取り込み、封印されて数十年たった今でも禍々しい呪いを放ち続けている。
死者を縛り留め続ける性質は、この剣の骨子として用いられた人物の特性故か。
それともそれ自体が何かの呪いなのか。詳細は不明。

過ぎた不浄は物理法則という事実をも捻じ曲げ、
この大剣の重量は、見た目の数倍にも膨れ上がってしまっている。
…それはもはや人に扱える代物ではない。

…ただ唯一、この剣との共存を快諾した人間。
呪いを受け入れた人間に対してのみ、この剣は力を貸すとされる。

彼女が、まるで『幾千幾万の手』が支えてくれているかのように、軽々と
このような超重量級の得物を振り回せるのも、全ては剣自体の加護によるもの。
つまり、幾千幾万の死者を味方につけているから、と言える。

…なお、『ア・スペント』はその重量故、剣としての手入れはほとんどされておらず
今ではほぼ『大剣』という名の鈍器と化している。

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