ENo.2761 ファビオ・ネル

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【From Cerfolief】

　ファビオだ。昨日は悪かった。完全に寝ていた。
　自分でも疲労の自覚はあったつもりだが、想定より深かったらしい。
　だが、同行者の気遣いもあって、体調も万全だ。武装を整える時間も出来た。
　同時行動の術師の壁兼、状況を突破出来るだけの火力が今の所の課題だ。
　これについては、俺自身がよく戦術を研究することも含まれるからな。
　防具の方も、良い素材が調達出来た。依頼には間に合うと思うが。

　少し、お前が面白がるかもしれない話があった。
　俺達は現在、2つに班を分けている。俺達を2班とする。
　こちらは、討伐前のひと悶着もあって疲労が激しかった為、先行で街で休ませて貰った。
　これは先述の通りだな。
　更に、術師の召喚術及び捕獲術の確実化の為に、当面戦闘はなるべく避けるという事で見解が一致した。
　俺も万全の準備とは言いがたかったから、異論があろうはずもない。

　と、まあ相談中にそんな話をしていたら、収集をかけたノリの良い白龍が……具体的な台詞は覚えていないが、『慎重も良いが冒険もしよう』という意味の事を言った。
　すると、そちらに同行していた奴が、『その言葉を待っていた』と言い出し、二人は積極的に戦闘を仕掛けていく方針で行くことにしたらしい。
　実際、積極的に戦闘を行うメリットは多い。技術は実戦で鍛えるものだし、訓練による向上も実戦による積み重ねが基礎になる。良い武具を得る材料を得る機会も増える。
　ただし、勝てばの話だが。
　無論二人（一人と一匹、と記述すべきかもしれんが、俺は二人とカウントしている）はその辺りのリスクを込みで考えての行動。
　ついでに言えばその二人は手数が多く、絡め手にも長ける。傍から見ていてもなかなか連携の取れたコンビだ。
　というわけで、俺も同行のダークエルフも、特に異論はなかった。
　白龍か術師のどちらかが、『マンモス二匹とか出たら大変かもしれない』と言って笑っていた。

　さて、この辺りでオチは読めたと思うが、その二人、どうやらマンモス二匹と遭遇したらしい。
　俺達はとりあえず声を揃えて『頑張れ』と激励しておいた。
　大変そうだなと思うが、恐らく大丈夫だろう。
　根拠を言えと言われると困るが、仮にあいつらと模擬試合をした場合、勝てるかどうかわからん。
　実の所、普段マイペースに見える術師の方が、売られた喧嘩に好戦的というか、色々と容赦ないような気がする。

　――今日は随分書いた気がする。
　不思議な達成感だが、後で闇に葬られたらどうしようかと、結構真剣に悩んでいる。

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『手紙』を送信しますか？

【For Cerfolief】

　お疲れ様です、ファビオ。今回は随分たくさん蓄積されていて、驚きました。
　予想通り、楽しく拝見させて頂きました。楽しんではいけないような気がするのですけれど。
　ファビオが真剣に、時に楽しみながら取り組んでいることを、喜ばしく思います。

　別班のお二人のご武運もお祈りします……この手紙が届く頃には、依頼への準備を進めているのでしょうか？
　連戦で大変そうですが、どうかお気をつけて。ファビオも。

　模擬試合といえば、街中での模擬戦闘勝利、おめでとうございます。
　確実に強くなっているようですね。同行の方のお陰でしょうか。前より、動きに余裕があるように見えます。

　ただ、ひとつだけ気になったのですが……あの、林檎が、いつのまにか何か別な存在に摩り替わっていませんか？
　言動は変わっていないようなので、余計に気になるのですが……。
　林檎のままより、見た目の印象は変わりましたが。

　見ているだけの分際で僭越ですが。
　あなたと、同行の方々のみちゆきが、よきものでありますように、いつも願っています。
　――どうか、セルフォリーフに関わる数多のひとの秩序が、守られますように。

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