メディア(2158)からのメッセージ:
メディア「おはようございます。寒すぎてお布団の中すら寒いです」
メディア「味はないけど果物っぽい風味……なるほど。何となくわかりました」
メディア「ねじの世界は、あまりにもマニアックすぎてテレビでも紹介されたらしいですよ>ブランクさん」
メディア「えっ、廃刊ですか。売れなかったんでしょうか……>イェルさん」
メディア「さて、今回と次回は昔のアイスランドの裁判制度についての話をしましょう」
メディア「アイスランドは、850年頃にスカンジナビアの船乗り達が発見したと言われています。
その後、870年頃〜930年の約60年間で1万人〜2万人程度が土地を求めてこの島に移住しました」
メディア「ですが、豊かな食料資源はあったものの、土地は有限です。
60年間で土地の殆どは誰かの所有地に。
第2〜第3世代あたりからは、土地紛争が頻繁に発生するようになっていました」
メディア「紛争が発生すれば、それを解決しなければなりません。
しかしアイスランドは国家としての積み重ねがありません。
……と言うか、そもそも当時のアイスランドは国家と言えません。
彼らはゼロから制度を考えなければなりませんでした」
メディア「とは言え、完全なゼロだった訳ではなく。
彼らは故郷……ゲルマン社会の慣習法を持ち込んできていたのです。
実力本位と言う、ゲルマンの原則を」
メディア「最初はそれをもとに、二つの原則が定められました。
一つは『決闘』
あるサガに、次のような話があります」
ソーロールヴと言う男が、アイスランドに渡ってきた。
すると、ウールヴァルと言う男が目に付いた。
ソーロールヴはウールヴァルの土地を欲し決闘を申し込んだ。
ウールヴァルは決闘をするかそこから去るか選ばなければならなかった。
ウールヴァルは高齢であったが、決闘を避けると汚名を着たまま生きる事になる。
結局ウールヴァルは決闘を受け、善戦するも死亡。
土地はソーロールヴのものとなった。
メディア「なぜウールヴァルは狙われたのか?
それは彼が高齢であり、かつ息子も居なかったからです。
息子が居れば、代理決闘の可能性がありますからね」
メディア「ソーロールヴの振る舞いは一方的で無法に見えます。
しかし、この社会では許されていました。
決闘は、自分の勝手な都合で申し込む事ができるものだったのです。
つまり、実力のある者は無制限に無法を行う事が出来た──」
メディア「でも、それだけでは社会が成り立ちませんよね。
歯止めとなる制度が、ちゃんと用意されていました。
それが第二の原則『血讐』です」
メディア「……と、今回はここまで。
このペースだと、次回だけでは裁判の話まで辿り着けないかもしれませんね!」
メディア「まあ、その場合は次々回もこの話題を継続と言う事で。それではお休みなさいませ」
メディア「すやすや……」
ブランク(1111)からのメッセージ:
「しつこく味覚の小話を繰り返すわけだが。」
「物の味わいというのは単なる数字で――甘味・塩味・苦味・うま味・酸味と他コクや渋味などのパラメータで表現しきれるという考えがあるんだがね。ちなみに辛味は痛みの一種だから、基本的には味ではない」
「この考え方でいくと、全味に関して等しいパラメータを持っているものであれば同じ味がするわけだが、全く異なった食材であっても組み合わせ次第でパラメータを一致させることは当然可能で――つまり同じ味が引き出せるというわけだね」
「これは、食べ合わせネタとしてよく知られているハチミツ+キューリ=メロンやプリン+醤油=ウニなどの他、スナック菓子等の○○風味といった物の調味料やフレーバーなどで馴染みがあるだろう」
「この数値化を極めるところまで極めてしまうと、イカの塩辛+生クリーム=ショートケーキとか梅干+カルピス=チーズケーキになってしまい、流石に信じがたい世界になってしまうわけだが」
「ただまぁ直感だけで食材の味を考えるよりも、正確な数値を知っておくと料理のアレンジなど考える分には割と楽しめる、かもしれない」
「いや、むしろ和マンチ的な傾向がある人間ならば、最適解があるならついつい求めたくなるはずだ。多分」
「……ちなみに。この道のオーソリティ曰く、ホットミルク+タクアン=コーンポタージュが最高の再現度だそうな。
タクアンはミキサーでドロドロにすることでよいトロミになるようだが、何のかんので味以外の要素も無視できない要素なのだろうね」