ENo.955 尾川　八太郎

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KIOKUNODANPENNOKAKERANOICHIBU　- Welcome to Kamelie! -

　広大な敷地に並び立つ、日本でも、セルフォリーフ世界でもない異国情緒溢れる建築物の数々。そしてその風景を埋め尽くすように存在する沢山の人、モノ、それらが漂わせる多くの世界の臭い……今、まさにそんな光景の只中にオレ達はいた。

「へぇ……これがツァオベラー・フェストかぁ。思ったよりもかなり大きいお祭りじゃん」

「ったりまえだろ……なにせあのKT2のライブがあるんだぜ！？」

　そう、オレ達はKT2というアイドルグループへのファン熱が高じてしまい、
ついにはカメーリエとかいう学祭のライブイベントにまで足を伸ばしてしまったのだった。
だから世界の崩壊だの危機だのとかそれの調査とか救済とかはこの際全然、まったく、これっぽっちも関係なかったりする。
うう、こう書いてしまうとなんかものすごくダメダメ感が漂ってくるなぁ……。

「KT2がやるからにはさ、やっぱりそれなりの規模のお祭りじゃないと！　って神は思うんだな！！」

「確かにそうかもしれないけど……だからといってなんでお前が得意げなんだ？」

「KT2は神が育てた」

　……いや、コイツがあの子達に貢献した事と言えばＣＤをやたら大量に購入してることと、オレというファンを1人増やしたことぐらいなんだけど。
まぁ神を自称しているぐらいのバカだ、この程度の自称なんてどうってことないんだろう。

「しっかしここには本当に色んなものがあるなぁ……お、屋台発見！　これはさっそく何か買わざるを得ないっ！」

「ちょ、お前いくらなんでもテンション高過ぎ！」

「まぁまぁ、ライブまでまだ時間があるし、ここで腹ごしらえしておいた方がいいかもしれないぜー！」

　そう言いながらだばだば屋台から屋台の間を走り回る（自称）神。なんという落ち着きの無さだ。
まぁ確かに言っている事は一理あるし、それに実際のところ屋台からは美味しそうな匂いが漂ってきてマイ＝ストマコーをやたらめったら誘惑してたりもする。

「じゃあオレもなんか食うか……。あ、そういえば受付の子から案内図を貰ったんだっけ」

　さっき学園に入ったときの事を思い出して、オレは制服のポケットから地図を取り出した。
そういやあの子、結構可愛いかったけど、やっぱりここの学生さんなのかな……。

「ええと、カフェがいくつかあって、フルーツジュース、パエリアバス？　移動屋台かな……に、た、こ、やき、だ……と！？」

　くっ、なんてことだ！　まさかこんなところでたこやきが食えるとは……！
ふと中に入っているタコってアレだよね？　とか思ったけど気にはしない！　アレだって食えるし！
ならばこれは食っておかねばなるまい。ﾊﾃﾙﾏﾀﾞｰﾙのヤツはさぞかし悔しがるだろうな……くっくっく。

「あとは……、わたあめ、紙風船、メイド喫茶……？」

　あれ、ここって日本じゃないよね……？　最近思うんだけどビミョーに根っこの部分が日本っぽいんだよね、この世界。
それともこの学校か生徒が日本っぽいのかな？　不思議だ。
……そんなことを考えているとさっきまで走り回っていた（自称）神が、とある店の方を指差しながらこっちに向かって叫んでいるのが見えた。

「おーい、ハチタロー！　なんかあっちのテレビでなんかロボが戦ってる！？　え、これってＣＧ？」

「ＣＧとか言わない」

「でもちょーカッコいいんだ！　ちょっと見ていこうぜ！！」

「あーはいはい……。お、飯も食えるのか。じゃあココ入って次はたこやきだな」

「え、たこやきあんの！？　これは食わざるを得ない……ッ！」

「お前さっきからそればっかだな……。まぁオレもそうかもしれないが……ッ！」

「いよいよお前もその気になってきたな……。よーし更にテンション上がってきたー！！！」

　ああなんというバカ二人……でもお祭りの喧騒はそんな二人の大騒ぎですらあっという間に飲み込んでしまう。
多くの人々の想い、願い、楽しみ、笑顔……このカメーリエという学び舎はそれら全てを包み込み、そして暖かく見守っている。
学校という場所の、そんなところはどんな世界であろうとも変わらない……変わるはずも無いんだ。

「やっぱ学校っていいよなぁ」

　ガラにも無く、そうつぶやいた。

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KIOKUNODANPENNOKAKERANOICHIBU　- Under festival participation! -

「ということで『ツァオベラー・フェスト参加中！』」

「いや、ここはテンション高くなる必要無いだろ……」

「そうかな……？　しかし参加できたのは嬉しいけど神達は結局来て何か食っただけだったね。しかも二日目だけの参加だ……」

「まぁオレ達は一般参加だし、そこまで大それた事できないだろ普通」

「いやいや、こううっかり迷い込んだ魔法施設をいじって校舎を吹き飛ばしてみたり」

「しねぇよ！！」

「プールに迷い込んで生徒の女の子とラッキースケベな展開になったり」

「それはいいな……って違う！　お前いっぺんあの怖そうな学長さんに指導されればいいよ！」

「でもKT2のイベントに関する描写は欲しかったかもだなー」

「まぁそこはある程度情報が揃えば書くかもしれない、らしい。なにせここの日記は時系列を完全に無視してるからな！」

「ま、期待せずに待つとするか……神の予想（ダイス）では時間なくて書けない、に一票だけど」

「ということでお祭りの主催者であるルナリア＝ルーチェ（695）先生、フェストに参加させて下さってありがとうございます！　それとイベントの運営お疲れ様でしたー」

「ありがとうございましたー、ってルナリア先生って思いのほか長生きだったんだな……」

「ちょ、（）の中は年齢じゃないよ！！　っていうかお前怖いもの知らずにもほどがあるよ！！」

「え、そうなの？」

「これはマジカル折檻確定だな……ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」

ツァオベラー・フェスト　参考リンク　：

http://sicx.x0.com/result/c/c695.html
http://blog.livedoor.jp/kamelie_6l/archives/509121.html
http://kurotai2.blog.fc2.com/blog-entry-51.html

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