"研修"を終えて、探索が本格化し始めた。 もちろん、バカンスや海賊行為に手を染めるものもいる。 "おじさん"もバカンスや他人を蹴落として利益を得るのは大好きだ。 ただ、それ以上に興味があるものに時間を使いたい。 時間はいくらあっても困るものではない。 誰しものに訪れる選択の岐路に、またしても彼は立っている。 遺跡を探索する、未開の探索地域に足を向ける、そして、"願いが叶う"という眉唾な話を探る。 大別して３つの道がある。 ——彼にだって"願い"はある。 但し、彼は"願い"が叶うことはあまり期待していない。 彼の願いは、不可逆であり、ある種の矛盾をはらんでいる。 彼が"ヒト型の水中呼吸することの出来ない種族"である限り、絶対に叶うことがない。 未知の中に示される新しいカードを、"おじさん"は愉しそうに眺めた。

おじさんはアイテムNo.3 SSシェルボックス（低） を使用した。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

ここ、最先端探索拠点を越えてしまえば、そこはもう未開の海だ。
おじさん達のような探索者たちがどんどん先へ進めば、
後々海底探索協会が、このような拠点を設けていくのだろう。

この先はどんな危険が待ち受けていても不思議ではない。
誰も踏み入れたことのない場所なのだ。
準備を怠らず、慎重に進むといい。

どのような生き物が居るのか、どのような未知が、はたまた宝が眠っているのか。
それはこの先へ自ら進んでいく者にしかわからないのだろう。

海は、まだまだ先へと広がっている。