■大傭兵団センティピードと傭兵王グラフィアス 【 傭兵王グラフィアス 】 　挙兵から、ものの十年で世界一巨大な傭兵団を築き上げ、今も傭兵たちの頂点に君臨する生ける伝説です。 　うちの世界では「英雄譚信仰」というものがあるというのは先日の日記でちょっとお話しましたが、ボトルシップメッセージで流れてくる異世界の英雄譚が信仰の対象になる以外にも、自分たちの世界の英雄たちの英雄譚も当然信仰の対象となります。 　皆さんの世界でも、英雄その人に憧れて配下に着くというのは結構あるお話だと思いますが、うちの世界ではこれがかなり多いです。 　と、言うのは、英雄に対する憧れだけではなく、我々の世界では英雄譚を唄う事で「唄った人間の能力値にボーナスがつく」というシステムがありまして、更に、それが仕える君主であったり、血族であったり「関係性が近い」場合その発揮される力が増大します。 　英雄の配下について、その英雄の英雄譚を唄いながら戦う。 　これにはっきりとしたメリットがあるというのがその理由ですね。 　一度でも伝説的な戦いを行い、英雄譚に唄われるようになればしめたもの……それを慕ってやってくる人間達によって、組織は一気に成長します。 　我らが傭兵王は十倍の戦力差を覆して勝利したり、剣聖と唄われる相手の英雄を一騎打ちで討ち取ったり、果ては単騎敵陣に斬り込んで敵将を切り伏せたり、とにかく派手な戦功の多い人で、そのシステムと噛み合って傭兵団は急成長を遂げました。 【大傭兵団センティピード】 　そんなわけで、傭兵王グラフィアスを慕って、あるいはその破竹の勢いにあやかろうと、傭兵たちは競ってその旗の下に集いました。 　グラフィアス王自身は脳筋……戦う事以外に才能のある人では無かったんですが「傭兵である事を誇れる世界にしたい」という理想のもと、積極的に頭脳担当を傘下に迎え続け、そのおかげで、傭兵団はそれまでの他の傭兵団とは異なる組織になっていきました。 　戦争の時に騎士が捕虜になった場合、主君は身代金を支払ってそれを買い取るというのが、うちの世界の慣わしなんですが、傭兵の場合は使い捨て。雇用主の王様は勿論、傭兵団の長も身代金を払うような事はしません。 　そんなハイリスクハイリターンが傭兵の世界で、「傭兵相手なら何をしてもＯＫ」というのが世の認識だったんですが、捕虜になった際に拷問を禁じたり、騎士様よりはだいぶ安いですが身代金を払ったり、そういった取り決めを国王達と結んできました。 　いかに高名な英雄だからといって、傭兵団が一国と約束を交わして、それを守らせるというのはなかなか大変なんですが、そこそこの勢力のある傭兵団とつるんで圧力をかけたり、約束を破った時にはそのお隣の国が一緒に攻め込む約束をチラつかせたりと、あの手この手で約束をとりつけてきたみたいですね。 　他には、傭兵という道を選んだら、お金を稼いで勝ち逃げするか、戦えなくなって野垂れ死にするかの二択みたいな世界だったんですが、戦傷で戦えなくなっても、なんとか次の職を斡旋するとか、そんな事もやってますね。 　うちの兄が戦場で片腕を切り落とされて帰ってきたんですが、今でも割と元気にやってたりします。

シャウラはアイテムNo.3 テリワカメ を使用した。

EXPが3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

ここ、最先端探索拠点を越えてしまえば、そこはもう未開の海だ。
シャウラ達のような探索者たちがどんどん先へ進めば、
後々海底探索協会が、このような拠点を設けていくのだろう。

この先はどんな危険が待ち受けていても不思議ではない。
誰も踏み入れたことのない場所なのだ。
準備を怠らず、慎重に進むといい。

どのような生き物が居るのか、どのような未知が、はたまた宝が眠っているのか。
それはこの先へ自ら進んでいく者にしかわからないのだろう。

海は、まだまだ先へと広がっている。