# 2 「フンフフンフン～♪」 大きな鉄の板を抱え、遺跡探索から帰ってきたと思えばララニアは部屋に籠もり下手くそな鼻歌を鳴らしながらカチャカチャと機械を弄る音を奏でている。 "楽しそうだな" 「やっぱり実戦で戦ってみると違うなー。調整を加えたい箇所が次から次へと止まらねぇ。」 "その板は…大盾か？" 「ああ、この質量を毎度一から作るのはしんどいからな。魔力が通ってない分動きは少し遅くなるが直接アルクメディナに取り込んだ方が、早い～♪っと」 「まずはこの大盾を」 "…？" 「全力で双つに割る…！！」 "…お前は馬鹿か？" 「片方だけに取り付けるんじゃ重心のバランスが悪いからな。できるだけ綺麗に取り分けたい。うむ。」 "……" 「あ、でも力任せにはいかねぇよ？時間をかけて耐久度を損なわない程度に加工をする。でも、ノコギリじゃ時間がなぁ…」 "…熱を使えよ" 「ハッ！！！」 "オイ" 「冗談さ。さて、前爪は二本の方が安定しそうだな。それと単発仕様で良いから飛び道具が欲しい。となると駆動周りの設計図も見直さないとな。」 "……" 「ふっふっふー♪」 "…"

ララはアイテムNo.3 TGシェルボックス（低） を使用した。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

ここ、最先端探索拠点を越えてしまえば、そこはもう未開の海だ。
ララ達のような探索者たちがどんどん先へ進めば、
後々海底探索協会が、このような拠点を設けていくのだろう。

この先はどんな危険が待ち受けていても不思議ではない。
誰も踏み入れたことのない場所なのだ。
準備を怠らず、慎重に進むといい。

どのような生き物が居るのか、どのような未知が、はたまた宝が眠っているのか。
それはこの先へ自ら進んでいく者にしかわからないのだろう。

海は、まだまだ先へと広がっている。