「周囲の街は……と。景虎が言ってたのはこの街か。向かうとなるともうちょい先のあたりだな。」 ジロウは潜水艇のコンソールで周囲の海域を探索する。通信で得た情報を反映すると、近隣のいくつかの街について、マーキングがされた。 「反応を見るに規模的には中程度の街ってところか……ここにするか。」 いくらかそのエリアから離れたところに、他よりもやや大きい反応があった。 「おい、ここって何があるか知ってるか？」 後ろに振り返り、コンソールを指差しながら尋ねた。 「う～ん……わかんないな」 「まあ、そうだよな……」 ジロウはさして期待をしていなかったという風に続けた。 「次にここに行ってみようと思うんだが、いいか？」 「オッケーだ♪行こう、行こう」 妙に乗り気なＺ姫の反応に面食らいつつ、あちらも特に指針があるわけではないだろうと考え、計器を操作する。 「食料は十分だよな？忘れ物はないか？少し飛ばしていくから一応ベルトを締めておいてくれ。」 「あ、いや、そうじゃない、こうだこう。それだと、急制動かけたときに首が絞まるぞ。」 「うーーーん、いや、俺がやろうちょっとまってろ」 椅子から身を乗り出して、Ｚ姫を椅子でしっかりとシートベルトに固定した。 これで暴走気味な同行者もしばらくはおとなしくなるだろうか。 「うー、なんだこれ、窮屈だな。どうやって取るんだ？？」 Ｚ姫はもがきながらベルトをカチャカチャ引っ張ったり押したりしていたが、しばらく格闘して無理そうだと諦めたらしく、ブスッと膨れてシートに沈んだ。 「前途多難だな……」 小さく呟いたあと、ジロウは再びコンソールを操作して、潜水艇を発進した。 ジロウの思いとは裏腹に潜水艇は水圧をものともせず、滑るように海中を進んでいった。

ツ・カイはアイテムNo.4 焼き魚 を使用した。

敏捷が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

ここ、最先端探索拠点を越えてしまえば、そこはもう未開の海だ。
ツ・カイ達のような探索者たちがどんどん先へ進めば、
後々海底探索協会が、このような拠点を設けていくのだろう。

この先はどんな危険が待ち受けていても不思議ではない。
誰も踏み入れたことのない場所なのだ。
準備を怠らず、慎重に進むといい。

どのような生き物が居るのか、どのような未知が、はたまた宝が眠っているのか。
それはこの先へ自ら進んでいく者にしかわからないのだろう。

海は、まだまだ先へと広がっている。