少年が一人、佇んでいました。 それは、揺蕩っている、のほうが正しいのかもしれませんが、別にどちらでもいいでしょう。 少年が一人、そこにいました。 彼の手には板が握られています。 そのまだ小さな手には少し余るくらいの大きさの、薄い、四角い、板です。 板に向かって、しばらく、指を滑らせていました。

	ショウ
	「…………。」

	ショウ
	「……あ、もしもし。」

	板
	「……何。」

	ショウ
	「あのさぁ。水着かしてくれる？」

	板
	「…………。」

	板
	「……は？」

	ショウ
	「白スクがいいんだけど。」

	板
	「待って待って。なんで僕が水着かさなきゃいけないの。ていうかなんで僕が白スク持ってると思ったの。」

	ショウ
	「もってないの？」

	板
	「持ってないよ。」

	ショウ
	「ええー……。先輩なら罰ゲームでふわふわのスカートやらくま耳やらメイド服やら白スクやらもってると思ったんだけどぉ……。」

	板
	「そ、そんな毎回毎回判定負けてないから……白スクはまだないから……。」

	板
	「ていうか、そっちに探索協会……みたいなのあるんでしょ？　水着くらい売ってるでしょ？　そっちで買ってよ。」

	ショウ
	「だってぇ……今は服買うくらいなら石買いたい……。」

	板
	「ソシャゲか。」

	板の遠くの声
	「あー！　ヒメがお電話してるの！　ヒメ、お友達いたのー！！」

	板
	「ちょっ……！　友達じゃない！　後輩！　不本意！　あっちいって！　ていうか僕だって電話くらいするし！」

	板の遠くの声
	「ふふん。話は聞かせてもらったぜ？　つまりヒメくんに白スクを着せればいいと。」

	板
	「聞くな！！　しかもなんか間違ってる！！　聞けてないでしょ！！」

	ショウ
	「…………。（なんだこれは……。）」

	板の遠くの声
	「ちょうどいいなー。白スクだったら次回の余興にでもって思って用意してたのが……」

	板
	「んな！？　ちょ、ちょっと……！？　あ、あ、それかして！！」

	板の遠くの声
	「あっ！　ヒメく」

	板
	「ショウ？　もしもし？　白スク。あったから。送るから。あげる。返さなくていいから。」

	ショウ
	「あ……そ、そう？　ありがと……。返さなくていいの……？」

	板
	「いいから。ていうか水着の着回しとか嫌じゃん。ね？　じゃあ送っとくから！　じゃあね！」

	ショウ
	「あ、うん……。わかった。ありがと。じゃあね。」

ぷつん。つー。つー。 来週には少年の元に白スクが届いていることでしょう。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

バカンス

青く輝く海ッ！
申し訳程度に残った陸地の真っ白い砂浜ッ！
キンキンキラキラと照りつける太陽ッ！！！

そう、ここはバカンスにピッタリ夢の世界、テリメイン！
水着の美男美女ッ！
トロピカルな熱帯魚と珊瑚礁ッ！

さあ心ゆくまで羽を伸ばし、
この穏やかなる海セルリアンを全力で堪能するのだッ！

しかし注意せよッ！　穏やかな海域とはいえ、未知なる生物が居ないとも限らないッ！
そんな障害なんぞ乗り越え、全力でバカンス出来る、
ショウのユートピアを今こそ探し出すのだッ！

暖かな海、緩やかな潮の流れ、色とりどりの魚たちッ！
まだまだこの海は、バカンス出来る場所がありそうだッ！

ショウは周辺を探索…………。

シェルボックス（低）を手に入れた！

ショウはヒールを購入した。

ショウはヒールを購入した。

ショウはブレスを購入した。

ショウはTGシェルボックス(低)を購入した。

ショウはTGシェルボックス(低)を購入した。

ショウは精神を訓練した。
ショウは精神を訓練した。
ショウは精神を訓練した。
ショウは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ショウは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

花売り人形の服 に 物防力強化 を実行！
花売り人形の服 の 物理防御力 を 4回強化した。
装備名を 花売り人形の服 に変更！

目的の決定